第十一幕:ふたつの虹と太陽と
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、あいつ、何だったの?」
時崎「あれは、コメツキムシだよ」
心桜「こめつきむし!? お兄さん知ってたの?」
時崎「まあ、一応」
心桜「つっちゃー、知ってる? こめつきむし」
七夏「いえ、初めて見ました」
心桜「その『こめつきむし』はいいとして、なんで突然跳ねるの? ・・・いや、あたしが覗き込んだ時、あの虫、どう見ても跳ねる体勢じゃなかったよ、仰向けになって死んだフリしてたし・・・・」
時崎「あの虫は足を使って跳ねるんじゃなくて、首の力を使って跳ね上がるんだったかな」
心桜「く、首!?」
時崎「そうだ、さっきの様子、この写真機で録画していたから見てみる?」
心桜「え!? 録画?? 見る見るっ!」
時崎「七夏ちゃん」
七夏「はい!?」
時崎「居間の大きなテレビを借りていいかな?」
七夏「はい☆ どうぞ」
一階の居間へ移動し、大きなテレビと写真機を映像ケーブルで繋ぐ。
心桜「へー・・・写真機って、テレビに繋げられるんだ」
時崎「まあ、そういう機種もあるよ。じゃ、再生してみるよ」
心桜「うんうん!」
先程撮影していた動画を再生してみる。
《心桜「あははー、この虫、ひっくり返って身動き取れてないよー」》
《七夏「ちょっと、可哀相です」》
《七夏「ひゃっ!」》
《心桜「どわぁ!」》
心桜「ほら! やっぱり、仰向けで死んだフリしてたのに急に跳ねた! ・・・って、お兄さん!」
時崎「な、なに?」
心桜「あのさー、笑いたければ、笑っていいよ・・・つっちゃーも!」
七夏「え? えっと・・・その・・・」
時崎「う、ごめん・・・。ちょっと、ゆっくり再生してみようか」
俺は、笑いを堪えつつその録画をコマ送りで再生してみた。その虫は跳ね上がる直前に首を大きく曲げ、跳ね上がり、覗き込んでいた天美さんの頬っぺたにタックル・・・。
心桜「なんで首が曲がるだけで跳ねんのよ!! ・・・訳分かんないんだけど!」
時崎「くくっ・・・」
七夏「ゆ、柚樹さん!!」
時崎「ごめん・・・しかも、ゆっくり見ると、七夏ちゃんの方が少し反応が速い」
心桜「え〜!!! 反射神経ではつっちゃーに負けないと思ってたのに・・・」
七夏「ぐ、偶然です!」
心桜「あ〜、なんかもう、色々とショックだよー、ショック過ぎて顔洗うの忘れてたから洗ってくる〜」
そう言って、天美さんは顔を洗いに行く。
時崎「七夏ちゃん」
七夏「はい?」
時崎「ごめんね・・・あとで天美さんにも謝るから」
七夏「ここちゃーなら大丈夫だと思います! それに、私もちょっと笑ってしまったから・・・謝っとかないと・・・」
時崎「やっぱり、あの虫のタックルはキツイよね」
七夏「はい。まさかここちゃーを驚かせるなんて」
心桜「ん? あたしが何
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