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翠碧色の虹
第十一幕:ふたつの虹と太陽と
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したの?」
時崎「いや、てっきり『まだ居たんだ』って、言われるかなーって」
心桜「あははっ! 一瞬、そう思ったけどって、あ゛・・・」
時崎「・・・やっぱり」
心桜「まあまあ、また会えて嬉しいよ・・・ホントに・・・」
時崎「まあ、それは俺も同じだよ」
七夏「ここちゃー、いらっしゃいです!」
心桜「お! つっちゃーおはよー!」
七夏「おはようです☆」
心桜「んじゃ、ぱぱっと済ませちゃおっか!!」
七夏「はい☆」
時崎「宿題・・・か、偉いなー」
心桜「んー、別に偉くは無いよ、どっちにしても結局は、済ませないと・・・ってだけで」
七夏「それじゃ、柚樹さん! またあとで☆」
時崎「ああ、俺で分かる事があったら協力するよ!」
七夏「はい☆ ありがとうございます!」

二人は二階の七夏ちゃんの部屋へ向かったのだろうか・・・。俺は再び虹について考える事にする。そして、今回の撮影旅行のスケジュールも再検討する事にした。俺が追いかけ始めた虹は、すぐそこにある・・・それこそ、手で触れる事もできる距離だ。さっき、無理矢理納得して押さえつけたけど、やっぱり何かが引っかかって飲み込みきれない・・・。もう一度考える。「ふたつの虹」に触れる事は簡単な事ではない。そもそも、ふたつの虹を持つ七夏ちゃんが、本当の虹を知らない・・・本人すら知らない事に、他人が触れていいはずが無い。虹を知る方法、世の中にある様々な虹の中に、七夏ちゃんにも七色に感覚できる虹があると信じたい。まずは、その虹から追いかけるべきだと思う。
少し考えがまとまりかけたので、部屋に戻って、MyPadにメモとして記録する。浴衣から普段着に着替えつつ、写真機を手に取り、撮影した七夏ちゃんの写真を表示させる。

時崎「翠碧色・・・」

七夏ちゃんにとって普通の虹・・・それを普通じゃない事にするのなら、七夏ちゃんが望んでくれなければならない・・・。

何か、鈍い物音がする・・・。耳を澄ませると、七夏ちゃんと天美さんが何か話しているようだが、二人の声は七夏ちゃんの部屋からではないようだ。鈍い物音が気になったので、俺は部屋を出る。廊下に出ると、二人の声は会話として認識できるようになってくる。

心桜「あっ、つっちゃー!!」
七夏「なぁに? ここちゃー」
心桜「あれ!」
七夏「え? わっ!」
心桜「天井に何か居るよ〜!」
七夏「ど、どおしよ・・・」
心桜「棒かなんかで突付いてみる?」
七夏「えっと、棒ですね。ちょっと待っててください」
心桜「あたし、逃げないように見てるから」
七夏「はい!」

七夏ちゃんが、部屋から出てきた。少し慌てている様子だ。

七夏「あ、柚樹さん!!」
時崎「七夏ちゃん! 何か慌ててるみたいだけど、どうしたの?」
七夏「えっと、お部屋の天
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