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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
81部分:第八話 董卓、城を抜け出すのことその三

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第八話 董卓、城を抜け出すのことその三

「その世界での歌だ」
「そちらも貴殿達の世界と関わりがあるのだな」
「そうだな。あると言えばある」
「そうなのか」
「すぐに覚えてくれたな。しかも気に入ってくれたようで何よりだ」
「そうですね」
 ナコルルもにこりとしている。
「本当に」
「私実はヘビメタ好きなのよ」
「ヘビメタ!?」
 関羽はそのヘビメタと聞いてふと言った。
「ヘビのメタボリックか?」
「強引な言葉だな」
 趙雲が横から言った。
「今のは随分と」
「そうか?しかしヘビメタとは何だ?」
「私の世界での音楽のジャンルよ」
 舞は笑って説明した。
「そういう音楽もあるのよ」
「そうなのか」
「いいわよ。私も向こうの世界じゃ普通の服だしね」
「というと今の服は普通ではないのか」
 趙雲は舞のその派手どころでは済まない服を見ながら述べた。
「そうなるか」
「否定しないわね。実際にこの格好かなり派手だし」
 胸も脚も露わである。しかも脇もかなり見えている。非常識な格好だった。
「けれど私の家は代々この格好なのよ」
「そういえば私も以前舞さんと同じ服の人と会いました」
 ナコルルもそうだというのである。
「不知火家の女性の方は本当に代々なんですね」
「そうなの。忍者の家でね」
「忍者というと」
 今度言ってきたのは香澄である。
「如月さんもそうですしね」
「あの家とは流派が違うけれどね」
「そうなんですか」
「あの家は確か幕末から出た家で元々剣客なのよ」
「剣客だったのか」
「ええ。あの人も来ているかしら」
 舞は関羽に応えながら述べた。
「やっぱり」
「その可能性はあるわね」
 キングもその可能性は否定しなかった。
「その時は会えるかどうかね」
「そうね、その時は戦うかもね」
 舞はそれは覚悟していた。そんな話をしている時だった。
 不意に前から不穏な声が聞こえてきた。
「約束が違います」
「むっ、あれは」
「女の子の声なのだ」
 関羽と張飛が最初に声をあげた。
「何だあれは」
「こんな森の中で」
「待て、他にも聞こえるぞ」
 趙雲は耳を澄ませていた。
「これは」
「男の声だな」
「はい、それもあまり品のよくない」
 キングと香澄はすぐに警戒する顔になった。
「山賊か」
「私達が倒したのとは別の」
「そうですね。そして若しそうだったら」
「ここでも退治ね」
 舞はナコルルの言葉に応える。
 するとだ。すぐにまた声がしてきた。
「おいおい、何だよ」
「折角案内してやったのによ」
 その下卑た男の言葉だった。

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