ターン79 鉄砲水と表裏の皇帝
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この瞬間、戦闘で破壊されたグレイドル・アリゲーターの効果発動!相手モンスター1体に寄生し、機械だろうがなんだろうがそのコントロールを掌握する!当然対象は、キメラテック・ランページ!」
熱線を受けて弾け飛んだ銀色の飛沫が、空中で向きを変えその攻撃の発生源へと一斉に飛びかかる。当然、何か回避策は持っているだろうとあまり期待はしていなかったが、意外なことに見ているこちらが拍子抜けするほどあっさりと結合魔龍はこちらの支配下に置かれた。見ていた翔にとってもその展開は予想外だったらしく、小さな悲鳴が漏れる。
「お兄さん!」
「あ、あれ?」
『……いや、まだ仕掛けてくるぞ』
チャクチャルさんの警戒を促す低い声が、脳内に響く。その言葉を待っていたかのように、目の前のカイザーも次なる一手に向けて動き出した。
「相手フィールド上にのみモンスターが存在するとき、墓地のサイバー・ドラゴン・コアのさらなる効果が発動できる。このカードを除外し、デッキからサイバー・ドラゴンを特殊召喚する」
サイバー・ドラゴン 攻2100
「なるほど、リカバリーは万全、ってわけね」
軽口を叩きながらも、内心では言いようのない不安感に包まれていた。サイバー・ドラゴンとランページの攻撃力は同じ、相打ち狙いを棒立ちでエンド……なんて、カイザーらしくもない。まだ何か、僕の見落としている戦術があるのだろうか。
その時、ふとある情景が脳裏に浮かんだ。あれは、卒業デュエルの時。どうして忘れていたんだろう、サイバー流にはまだ、あのカードがあることを。しかし思い出せたときにはすでに遅く、カイザーのサイバー・ドラゴンと僕の場のランページが空中で混ざり合いさらなる機械龍へと変化を遂げていくところだった。
「あのカードは……!」
「場に存在するサイバー・ドラゴン1体及び、それ以外の機械族モンスター全てを墓地に送る。融合召喚!キメラテック・フォートレス・ドラゴン!」
メタリックな輝きを放つ、龍というよりむしろ蛇に近い挙動をする異端のサイバー流。その攻撃力は、素材とした機械族モンスター1体につき1000。
キメラテック・フォートレス・ドラゴン 攻2000
KYOUTOUウォーターフロント(3)→(5)
やられた。攻撃力こそ下がったものの、これでアドバンテージは一気にカイザー側に傾いた。唯一の救いは、一気に3枚のカードが墓地に送られたことでウォーターフロントのカウンターが上限の5つまで溜まったことだけど……それも、この手札だとあまり慰めにはならない。
清明 LP4000 手札:3
モンスター:なし
魔法・罠:なし
場:KYOUTOUウォーターフロント(5)
カイザー LP4000 手札:2
モンスター:キメラテック・フォー
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