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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン79 鉄砲水と表裏の皇帝
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ー流の究極の形なのか。偶然なのか必然なのか、その攻撃力が2重の強化を受けて倍々式にはね上がる。

 カイザー LP700→350
 鎧獄竜−サイバー・ダークネス・ドラゴン 攻2000→4000→8000

「攻撃力、8000……でも!」

 僕の声に霧の王がコクリと頷き、圧倒的な力の差を前に怯むことなく剣を構え直す。その眼前で、サイバー・ダークネス・ドラゴンが前段発射に向けて力を溜めはじめる。背中の(カノン)、頭部からのエネルギー弾、そして吊り下げられたサイバー・エンドの3つの頭に、それぞれ別のエネルギーが充填されていく。

「行け、サイバー・ダークネス・ドラゴン!エヴォリューション・ダークネス・バースト!」
「迎え撃て、霧の王!ミスト・ストラングル!」

 鎧獄竜−サイバー・ダークネス・ドラゴン 攻8000→霧の王 攻5200(破壊)
 清明 LP200→0

 霧の王の一閃と機械龍の砲撃が激突し、世界が白い光に包まれる。目を閉じてもなお届く強烈な光の中で、何か動くものがかすかに見えた。強烈な逆光のためぼんやりとしたシルエットしか確認できなかったが、こちらに向けて咆哮するその姿はまるで機械の翼を生やしたサイバー・ドラゴンのような……だがその姿をもっとよく見ようとしたところで、光が収まってしまった。デュエルが終わったことでサイバー・ダークネス・ドラゴンの姿も消え、後に残ったのは僕とカイザー、そして翔の3人のみ。

「今のは……」

 今見えた光景は、ただの幻覚だったのだろうか。でもあの映像が僕に与えたあまりにも鮮明な印象は、到底そうは思えなかった。立ちすくむ僕の目の前で同じく立っていたカイザーががっくりと膝をつき、次いでその場に崩れ落ちる。

「お兄さんっ!」
「カイザー!」

 翔と2人で駆け寄ると、カイザーはよほど痛むのか心臓の位置に手を当てて苦しそうに息をつきながらも、それでも満足げに笑っていた。

「……清明、お前もあれを見たのか?」
「お兄さん、喋っちゃだめだ!今すぐ鮎川先生のところに……!」
「そうだろう、お前も確かに見たはずだ……」

 翔の言葉も耳に入っていないかのように、熱に浮かされたような調子で喋りつづけるカイザー。じゃあやっぱりカイザーもあの光景を、僕と同じあの未知なるサイバー・ドラゴンを見ていたんだ。小さく頷くとそれに満足したのか、胸にやっていた手を何かを掴み取ろうとするかのように星空へ伸ばす。震えながらもその手を握りしめ、さらに声を絞り出す。

「俺は見た、まだ見ぬサイバー流の進化、その更に果てを!サイバー・ダークネス・ドラゴンは、確かに裏サイバー流の境地かもしれない。だが、表サイバー流にも進化の道は残されている!あの1瞬の光の中で俺は見た、瞬間(ノヴァ)が|永遠
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