ターン79 鉄砲水と表裏の皇帝
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の手でぶった切ってやる!」
「感謝するぞ、清明……。お前のおかげで、俺は今新たな境地に最も近いところに居る!俺は生きている、その命の輝きを、さらに激しく燃え上がらせてみせる!……俺のターン、ドローッ!」
静寂が場を包んだ。僕も翔も、そしてカイザー本人も、物音ひとつしないその瞬間が、僕には永遠のものとも感じられた。
そしてその均衡が、カイザー自身の手によって破られる。
「速攻魔法、サイバネティック・フュージョン・サポート……そして魔法カード、パワー・ボンドを発動!俺のライフを半分払い、墓地のサイバー・ダーク・カノン、サイバー・ダーク・キール、サイバー・ダーク・エッジ、サイバー・ダーク・クロー、そして鎧黒竜−サイバー・ダーク・ドラゴンの5体をゲームから除外する!」
「5体のサイバー・ダークでの融合召喚!?そんなモンスターが……!」
カイザーが最後に引いたのは、彼の信じる究極の融合カードにしてサイバー流の象徴、パワー・ボンド。融合召喚した機械族の攻撃力を元々の数値分引き上げる凄まじいメリットと引き換えに、その力の代償としてエンドフェイズに挙げた攻撃力がそのままダメージとしてプレイヤーに降りかかるデメリットを併せ持つハイリスクハイリターンのカードだ。カイザーのライフはもはや残りわずか、どう考えてもエンドフェイズのデメリットには耐えきれない。このターンで決め切るつもりなら、真正面から迎え撃つまでだ。霧の王も考えることは同じなのか、正眼の構えで自身の剣を強く握りしめる。
そうして僕らが見守るその目の前で、ついに裏サイバーの究極の境地がその目を覚ました。
「出でよ!鎧獄竜−サイバー・ダークネス・ドラゴン!」
「これが……!」
その機械龍は、まさに限界を超えて更なる進化にたどり着いた鎧黒竜だった。ホーン、エッジ、キールの3体の特徴を併せ持ちながら、装甲の薄かった胸部からはクローの特徴である鉤爪が出現して補強され、その背にはカノンが自らの体をそっくりそのまま巨大な砲台として据えつけられる。だが何よりも恐ろしいのはそんな外見だけの特徴ではなく、一目見るだけで伝わってくる全身から立ち上る圧倒的なパワー。それは合体の相乗作用なのか1体1体の時どころか鎧黒竜とさえも比べ物にならない、完全に制御された洗練されつくした暗黒の力。
「パワー・ボンドの効果により攻撃力は倍になり……さらにサイバー・ダークネス・ドラゴンが特殊召喚に成功した時、墓地のドラゴン族または機械族モンスター1体を自身に装備できる。サイバー・エンド・ドラゴンを装備する!」
「サイバー・エンド・ドラゴンがサイバー・ダークネス・ドラゴンに……」
翔が震え声で復唱する中、シルバーメタリックな輝きを放つ三つ首の機械龍が漆黒の機械龍に装着される。これが、表裏一体サイバ
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