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歌集「春雪花」
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 移り気な

  四季に思ふは

   恋しける

 心にあらば

   生くるも楽かと



 季節は移り変わり、四季は様々な顔を見せる。

 そうして移ろうように…私も移ろえたなら…。

 彼を想うことを止められず…こうして苦しむのであれば、季節が移ろうような…そんな心を持っていたら良かった…。


 ならば…生きることも楽だろうに…。



 花すすき

  月影もなく

   さざめきて

 いつ死ぬとてか

    問ふも虚しき



 秋風にすすきが音を立てる…こんな月も出ていない夜に賑やかなことだ…。

 そんなすすきに…私はいつ死ぬのだろうな…と、問い掛けてみた…。

 私の願いは今生では叶わない…ならば…。

 いや…問うも馬鹿馬鹿しい…。
 私はただ…生きて死ぬだけなのだ…。


 ただ…それだけなのだ…。




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