806部分:第六十五話 孔明、姉と再会するのことその九
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第六十五話 孔明、姉と再会するのことその九
「この世界にもいるなんて」
「腐女子は次元を超えるのね」
「そうみたいですね」
「あの、腐女子って」
「何でしょうか、それは」
孔明と鳳統はその言葉に目をしばたかせて返す。
「何か妙に妖しい響きですけれど」
「一体」
「ああ、気にしないでいいわ」
舞が笑ってそこは誤魔化した。
「こちらの世界の言葉だから」
「そちらの世界のですか」
「そうした言葉もあるんですね」
「そうよ。それにしてもこちらの世界は」
舞はその世界自体について思うのだった。
「私達の知ってるこの時代の中国とは」
「全然違うな」
「そうなのよね」
こうアンディにも話す。
「だからかなり戸惑うところがあるわ」
「前から思ってたところはだ」
大門は炒飯をもりもりと食べながら述べる。
「北でも米がある」
「しかも俺達の時代の料理が普通にあるしな」
二階堂は刺身を食べている。中華風の刺身である。
「不思議っていえば不思議だよな」
「その通りだ。書も想像より遥かに多い」
「服だって違うしな」
「そうした違いの多い世界だな」
「何かよくわからぬがだ」
関羽も首を傾げさせている。
「我々の世界の漢とあちらの世界の漢はかなり違う部分があるのだな」
「考えていくと別物だな」
草薙が話す。
「俺は学校は殆ど行ってないがそれでもわかるな」
「あの、それで草薙さん」
真吾は彼が学校の話を出したところでそっと囁いた。
「いい加減。先生が怒ってますけれど」
「何でだよ」
「卒業しろって」
言うのはこのことだった。
「何年留年したら気が済むんだって」
「またそれかよ」
「はい、本当に卒業してくれないと困るって怒ってますから」
「わかってはいるんだよ」
草薙はバツの悪い顔で真吾に言い返す。
「卒業もな。
「ええ、御願いします」
「卒業した先も決まってるしな」
「草薙道場ですよね」
「ああ。親父の跡を継いでな」
そうなるというのである。
「そうなるからな」
「そうですよね。俺も道場通いますから」
「御前草薙流好きだな」
「大好きですよ」
好きどころではないとだ。真吾も言う。
「だから草薙さんと今こうしてるだけでも」
「いいのかよ」
「はい、とてもです」
明るい笑顔で話す真吾だった。
「あといわしとうどんもあれば」
「そういえば好きだな」
関羽が真吾のその食べ物の嗜好に言及する。
「御主魚はそれが一番好きだな」
「そうなんです。いわしって美味しいですよね」
「うむ、確かにな」
それは関羽も認める。実際に食べての言葉である。
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