0168話『イムヤと一航戦』
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ェー海戦で沈んだ私達の仇を取ってくれたことも関係しているんだと思いますよ」
「あー……」
それで思い出す。
なにもイムヤは伊達や酔狂で『海のスナイパー』とは自称してはいない。
ミッドウェーで飛龍の攻撃で大破していたヨークタウンを追撃して、数時間に及ぶ追跡でついには護衛の駆逐艦とともにヨークタウンを撃沈したのだ。
そしてなんとか追撃から命からがら逃れて帰還したという過去を持つ。
そんな関係だからこそ、加賀とイムヤは仲がいい方なのだろう。
それを言ってしまえばイムヤは一航戦、二航戦とも仲はいい方だと思うんだよな。
たまによく話している光景を見るし。
そんな事を思っていると加賀さんがイムヤの顔を拭き終わったのか、次には私の方を見てきて、
「……提督。なんですか? 私を見て少しにやけていて……」
「いや、微笑ましい光景だなと思ってな」
「別に、当然の事ですよ」
加賀さんはそれで終わらそうとしているんだけど代わりにイムヤが加賀に抱きついて、
「そうだよ。私と加賀は仲が良いんだから! ふっふーん!」
「こら、やめなさい……」
「本気で振り払うならやめるけど……?」
「……仕方がない子ね」
加賀さんもそんなイムヤを振り払おうとはせずにされるがままでいた。
なんとも珍しい光景だなとまたしても私は少し笑みを浮かべる。
《提督、楽しんでいませんか……?》
「わかるか、榛名。うん、今日は加賀さんの意外な光景を見れて少し楽しいと思う」
「加賀さんは懐いてくれる子には優しいですからね。瑞鶴さんにも同じ態度を取っていればもっといいと思うんですよ?」
「赤城さん、それはダメよ。あの子は厳しくしないとすぐに調子づいてしまうんだから……厳しくしないといけないわ」
「と、加賀さんは瑞鶴さんには素直になれないんですよ」
「なるほど……赤城、解説ありがとう」
「いえいえ」
どこか楽しそうな赤城。
普段あまり人をからかう事はしない赤城だけど加賀に関しては別物らしい。
「加賀。目が吊り上がってるよ? もしかして怒った……?」
「そんな事はないわよイムヤ。ただ、赤城さんの茶目っ気に少し呆れているだけです」
「うふふ。ごめんなさい加賀さん」
手を合わせて謝りながらもどこかやはり楽しそうな赤城はいい性格をしている。
そんなこんなでイムヤはそれ以降も執務室に居座っていてそのまま時間は昼過ぎになっていて、
「それじゃ切りよく終わらせてお昼でも食べに行こうか」
「わかりました」
「はい。イムヤも行きましょう?」
「わかったわ」
それで四人で食堂へと行く途中でイムヤが「そういえば……」と言葉を発して、
「司令官。潜水部隊の第二隊(ゴーヤ、イムヤ、はっちゃん、イクの四人)がつい最近練度がカンス
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