原作編
落ち着きなさい
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倍返しにして良いよな?
ハッと耳にある言葉が流れ込んできた。
「ラインハルトがわがままばかり言ってさぞ迷惑かけているでしょうね、ジーク、レオン。」
本当にそっくりだな。さすが姉妹。
「いえ、そのような…」
「本当ですよ。アンネローゼ姉さん。俺たちがどれほど苦労していることか。」
「うるさいぞ、レオン!そんなに迷惑かけていないだろう?」
どの口が言ってんだ。この馬鹿は。
ああ、くそ!寝不足で策を考えらんねぇ。
「なんだと!こっちがどれほど苦労して印象操作してると思ってんだ!」
「落ち着きなさいラインハルト、レオン。
そうそう、シャフハウゼン子爵夫人からいただいたおいしい桃色葡萄酒(ヴァン・ローゼ)があるの。地下室にあるから取って来てくれないかしら?帝国元帥閣下に雑用を頼んで悪いけど」
「………。わかりました。姉上。取って来ます。」
ラインハルトはショボンと肩を落としながら飼い主に捨てられた犬のように歩いて行った。
それにしても助かった。
クラウディアの毒の使い方はこの人から学んだのでは無いかと思うほど、ラインハルトの急所を貫いて行った。
なんというか。あとでラインハルトに謝り、何かおいしいものを奢ろうと思うぐらいには。
俺はコーヒーを一気に喉に流し込むと、アンネローゼ姉さんの顔を見つめ
「ありがとうございます。助かりました。」
と礼をいう。
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