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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十八話 私、ナイトハルト・ミュラー提督と結婚します。
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の情事を知悉し、しかもそんな表現をするとは予想だにしなかったのである。
 当のシェーンコップは内心どう思っていたかわからないが、表面上は軽い笑い声を立てただけだった。
「褒め言葉と受け取っておきましょう。なんでしたらあなたにも一度御指南差し上げてもよろしいですが。」
彼女は顔色一つ変えずに左手の薬指をちょっと横手に掲げたのち、丁重にそれを断った。そして顔色を新たにしてローゼンリッターの面々にこう述べたのだった。
「実はあなた方に一度見ていただきたい物があるのです。」


* * * * *
2時間後――。

フィオーナらが訪れたのは帝国の公文書館である。既にラインハルトを通じて許可を得ていたので、一同はすんなり入ることができた。同盟の捕虜を入れるなどとは前代未聞のことであるが、機密レベルの文書は地下深くに秘匿されていて地上に出てくることはないし、そこに行くまでには幾重にもチェックを受けなくてはならない。
「自由惑星同盟と帝国が幾重にもわたって交戦している中、当然捕虜交換も幾たびも行われてきたことは既にご存知でしょう。」
「前置きは結構ですから、要点を述べていただきたい。」
リンツ少佐の言葉に転生者たちはうなずき合った。
「では、要点を。同盟に帰還したあなた方の捕虜が、その後どういう待遇をされたのか、知りたいのです。」
「・・・・・・・・。」
ローゼンリッターのカルテットの面々は顔を見合わせた。
「こちらはその代わりに過去の捕虜の待遇、そして今の捕虜の待遇を教えます。」
「それをどうするのですか?」
「全銀河に公表します。」
意表を突いた答えにまたもカルテットの面々は顔を見合わせた。
「帝国同盟双方の実態を、主観を交えることなく双方に伝える。これが私たちの、そしてローエングラム公の掲げる目標の一つです。そのためにはあなた方の協力も不可欠の一つなのですよ。」
レイン・フェリル中将が補足する。
「この話だけ聞けば、おそらく99%の人間があなた方の頭脳の仕組みを疑うでしょうな。ネジが二、三本抜けていると言われても不思議ではないでしょう。」
「失礼ね〜。」
ティアナが両手を腰に当てたが、怒った様子はない。どちらかと言えば面白がっている様子だ。だが、フィオーナはそれを流さなかった。
「現状に満足している人は人と違うことをしようとする人を必ず異端者扱いをする・・・・。その中身をロクに検討もせず。あなた方もその例外ではなさそうですね。」
「フィオ?!」
この発言には思わずティアナをしてたじろがせるほどの響きが込められていた。
「我々が果たしてそうだと言えますかな?」
「言えます。あなた方がローゼンリッターだから、という理由は通用しません。この世界に生きる一員としてのあなたたちが、私をそのように見ているのですから。」
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