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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十八話 私、ナイトハルト・ミュラー提督と結婚します。
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帰如何にかかわらず、全員に月に一度それぞれの最寄りの憲兵司令部に身分証を持参のうえ出頭するように義務が課されたのである。
 今回の同盟捕虜に関しても第二次捕虜交換によって同盟に送還することが内々定していたので、辺境惑星に集中させた。ひいてはそれは辺境貴族における産業の一つとさせる目的もあったのである。
 もっとも、例外もいる。
「で、いかなる理由からエリーセル上級大将閣下殿は、非才の身を神聖にして不可侵であられるゴールデンバウム王朝の総本山にお連れくださったのですかな?」
と、5階級も上の相手に公然と毒舌を浴びせたのは誰あろうワルター・フォン・シェーンコップ大佐殿である。これに対して当の本人は顔を赤らめながらこう答えた。それは相手の口ぶりに腹が立ったのではなく、恥ずかしかったからである。
「あなただけではないではありませんか。ブルームハルト中尉、リンツ大尉、デア・デッケン中尉――。」
「で、我々をどうなさるおつもりですかな?帝都の動物園の檻にでも入れて見物料をせしめようと言うつもりだとしたらやめた方がいい。ああいうのは見目麗しい美男美女がよろしいのですから。」
この私は条件を満たしていますが、他の面々がね。と、臆面もなく言ってのけるところがシェーンコップらしい。それを聞きながらフィオーナの心境は複雑な文様を描いていた。

 以前イルーナがフィオーナに注意したことがある。

「あなたの優しさは充分に長所であり、私もそれを誇りにしているところだけれど、全ての人に適用されるなどと思わないことよ。」
確かに帝国軍の諸提督と転生者との間にはおおむね友好的な関係が築かれていた。もっともそれも最初の頃はだいぶ怪しいものであったのだが、今は違う。
 だからこそ、というのではなかったが、いずれ同盟の登場人物との間でも友誼を築き上げることができるのではないか、という淡い期待が彼女の中にあったことは否めない。だが、今のところそれは成功を見ていなかった。もっとも彼女の「面接」の最初の試験官がワルター・フォン・シェーンコップ大佐であったことが、彼女を不幸にしてしまった一因だったかもしれない。
「・・・・・・・・。」
思わず俯いてしまいそうになる自分にカツを入れた。こんなことでどうするのだ。シェーンコップの毒舌の中で、これは初級中の初級、まだほんの初手に過ぎない。彼女はその心境とは別ににっこり笑ってこう答えた。
「いいえ、見世物等にするにはシェーンコップ大佐、少々あなたの風貌は『生臭すぎます。』から。」
フィオーナらしからぬ応酬だった。隣に立っていたティアナもバーバラも、そしてレイン・フェリルもアリシアもこれには一斉に驚きの眼を彼女に向けたし、当のローゼンリッターの面々も面食らった様子で彼女を見た。この清純そのものの帝国軍上級大将がシェーンコップの数々
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