第91話 憑く
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サソリの判断を絶望的な状況へと追い込んでしまった。
サソリは片手で印を結ぶと溢れていた砂を集めて、チャクラ糸でキツめに人型へと固めた。
「悪イガ同ジ手ハ通ジナイ......既ニ穢土転生ノ契約ハ解除シタ......朽チヌ身体、無限ノチャクラヲ生み出すマダラヲ止メルノハ不可」
黒ゼツはマダラの腕を不自然に筋肉を隆起させながら構えた。
サソリは刺された腹部から砂を落としながら立ち上がると輝きを失った両眼で黒ゼツを睨みつけるが......サソリには既にマダラを相手にして勝てる見込みが無いことを悟っていた。
失敗......したか
残り僅かなチャクラで伝説のマダラを相手にして万が一にしても勝ち目はないな
サソリは不思議と冷静にこの絶望的な状況を分析していた。
いや、初めて血肉が踊る戦いを愉しんでいた。
「負けん気か......」
「ン?」
「いや、なんでもねぇ......あの時とは違った景色だな......」
サソリはチャクラ糸を身体中から伸ばしてゆっくり、ゆっくりと空を見上げた。
死んだ親父とお袋もこのような気持ちだったのだろうか?
生きるつもりの死か?
死ぬつもりの死か?
ここで引いたら御坂達が死ぬ
サソリの雰囲気がガラリと変わった。
まるで氷の刃が突き刺さっているかのように張り詰める。
「悪いな......傀儡にするとか考えてねぇから加減が出来ないぜ」
サソリの周りに視認出来るギリギリのチャクラが張り巡らされて、ビルの瓦礫や窓ガラスに貼り付けた。
最期に魅せるは自分の流儀
『長く美しく後々まで残っていくもの......永久の美』
サソリは抑えていた胸の傷から手を離して指を構えていく。
空いた穴がぽっかりと浮かび上がり土砂が流出し続けていく。
サソリにしてみればこれも命を賭けた戦い。
しかし違うのは『誰かの為』だけだった。
背後にはサソリを慕っている湾内達が見ている。ゆっくりとヒビが入った頬の角度を変えるだけ後ろを観て気配を感じる。
巻き込んですまなかった......首だけに成ろうがあの野郎を殺してやるから
******
サソリの計略により復活した街灯がチカチカと点き始める高速道路で逃げ場のない高熱が一点に凝縮されて白い光が曲がって放出されている。
「かぁっ!......はあはあ」
最大火力の必殺技を繰り出した修羅道は口と背中から盛大に蒸気を吐き出して力を使い果たしたように仰向けに横になった。
「オーバーヒート気味ですね。少し休んでください。餓鬼道、周囲の被害は?
「問題ない」
「ありがとうございます」
天道は右手を伸ばしながら一つの星のようになっている岩石の塊を空中で保持し続けている。
「凄まじい力ですね。まるで超新星爆発を彷彿させるよう
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