第91話 憑く
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奇襲に近い形でコピーしておいた幻想殺しを発動し、穢土転生の術を打ち消す事に成功したサソリは砂が溢れ始める身体を引きずりながら割れた窓から隣のビルの屋上に居る湾内達を見上げた。
ギリギリだった......
砂分身で使えるチャクラ量は限られている
これで終い
「サソリさん」
キラキラとした尊敬の眼差しで見てくる湾内を見上げながらサソリは人生最期となる光景を目に焼き付けようと嘲笑するようにほくそ笑んだ。
しかし、青白く燃える歪んだ刀がサソリの身体を貫いた。
「ッ!?」
サソリが振り返ると両手が黒く変色した鎧武者姿のマダラが亡霊のように仁王立ちしており機械的に写輪眼を全開にしていた。
「......」
マダラの肉体は一瞬で振り払うように動かすとサソリを貫いていた刀が呼応するように動き出してサソリをビルの下へと凄まじい勢いで振り落としていく。
「くっ!?」
サソリは印を結んで、身体が崩れていくのを阻止しながら勢いを殺す為にチャクラ糸を伸ばすがマダラが腕から巨大な骸骨の腕を出現させて、振りかぶると身動きが出来ないサソリに向けて殴りこんだ。
「チィ!」
サソリが腕を前に組んでガードするがマダラは問答無用に拳を突き立てたまま加速しながらサソリをコンクリート諸共叩き潰す。
コンクリートが衝撃により陥没して周囲のビルが大きく傾いた。
「さ、サソリさん!!?」
「そ、そんな事って」
湾内達は目の前で起きた惨劇にただただ竦んでいて、立っていられずに膝が崩れた。
「......オヤオヤ」
黒ゼツは叩きつけた骸骨の腕を持ち上げて確認すると、直撃した右半身だけが壊れたようにヒビが入り、砂を噴出したサソリが息を荒くして睨みつけていた。
「ナルホドナ......砂分身カ。妙ダト思ッタガ憐レナ姿ダ」
「はあはあ......術は打ち消したはずだ......どんな小細.....ゲホ、をしやがった」
「ククク......本体デ腕ヲ操ル事ニ集中サセテ貰ッタ。ソシテ忍トシテノ経験ガ仇トナッタナ」
忍と忍の戦いでは命と命のやり取りとなる。
忍術にしろ体術にしろ大きな目的は相手に致命傷を与える事だ。
致命傷となるのは身体の機能の司る中枢神経系......つまり『脳』だ。
早い話が頭を潰せば生き物としての機能は止まる。
だが......
「残念ナガラ貴様ガ相手ニシテイルノハ穢土転生体......死体ダ」
「!?」
「死体ニ頭部破壊ノ原則ハ通ジナイ......強イテ言ウナラバ術ヲ繰リ出ス『腕』ヲ打チ消サレタラマズカッタナ」
ゆっくり思考する事が出来る時間があればサソリならばその考えを取り入れた打開策を練れたかもしれないが、遥かに格上のマダラを相手に一騎打ちとなれば一瞬の判断で決めなければならない。
こびり付いた人殺しの咎が
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