Epilogue ーナミの決意ー
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大量に食糧を受け取る。
混雑した道を抜け、ナミは自分の家へとアキトを案内した。
ナミは早速ジョッキを口に運び、笑顔を浮かべた。
「アキト、改めてココヤシ村を救ってくれて本当にありがとう」
ナミは真摯に頭を下げ、アキトにアーロンを倒してくれたことに対するお礼を述べる。
「少し私の話に付き合ってくれる、アキト?」
アキトはナミが宴から離れた場所に自分を連れてきた理由をここで理解した。
彼女の独白はまだ終わっていなかったのだ。
「私ね、この8年間、ココヤシ村をアーロンの支配から解放するためにお金を集めてきたの。決して楽な道じゃなかったわ」
アキトは静かにナミの独白に耳を傾ける。
「勿論、命を狙われたこともあった。でも結局その努力はアーロンに踏みにじられて無駄に終わっちゃったけど……」
ナミは己の心情を吐露するようにぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。
「さっきまでココヤシ村が解放されたことに喜んでいたんだけど、冷静になったときにふと思ったの。私の8年間は何だったのかなって……」
アーロンによるココヤシ村の支配
それはナミの手ではなく、偶然この島を訪れたアキトの手によっていとも簡単に終わりを迎えた。
それはナミの頑張りではなく、アキトの力による解決だ。
今、彼女はそう考え、故にこれまでの自分の8年間の意義を探し続けている。
「私の8年に意味はあったのかな?」
ナミはどこかアキトに縋るような眼差しでアキトを見つめる。
アキトは真摯に彼女の問いかけに耳を傾け、ナミに応える。
「……意味ならあったさ。ナミの必死に頑張る姿はこの村の人達にとって希望だったはずだ。最後は俺が解決してしまったが、村の人々はナミの頑張る姿を見て今日のこの日まで耐え忍ぶことが出来たのだと思う。それに、お金を集めるために海を渡っていなければルフィ達には出会いもしなかっただろ?」
アキトはナミの不安を取り除くように優しく語りかける。
─そうだ。自分は自身の身を犠牲にし、この村を救おうとするナミの姿に己には持ち得ない輝きを見た。彼女の頑張る姿が自分の背中を押したのだと言っても過言ではない─
「それに……」
「……?」
「誰かの為に命を懸けるナミの姿はとても美しいものに見えた」
幼少期から理不尽な目に遭わされ、愛する者を奪われたにも関わらず、身を削って村の人々を守ろうとしたナミの姿は本当に美しいもの見えた。
アーロンを憎んでも誰も文句など言わない、言えるはずもない。
憎しみに縛られても不思議ではなかった。
事実、ナミはアーロンを憎くて、憎くて仕方なかったのだろう。
だが、彼女はアーロンの憎しみに縛られることなく、村の解放を誰よりも求
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