Epilogue ーナミの決意ー
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いを続けるネズミ大佐の眼前にアキトが降り立った。
海面の上に立ち、ネズミ大佐をその紅き瞳で見据え、冷めた表情で見下ろす。
「は……」
「……」
ネズミ大佐は恐怖の化身が現れたことで言葉を失い、得意げな顔を一変させ、全身に冷や汗を垂れ流す。
トラウマを植え込まれた相手の登場に身体が弛緩し、ネズミ大佐はアキトを見上げることしか出来なかった。
さっきまでの高笑いはどうした?
笑えよ
交錯する視線
一方は冷徹な瞳で、もう一方の哀れなネズミは絶望にまみれた瞳で
アキトは呆然とするネズミ大佐の顔面を蹴り飛ばし、宙へと吹き飛ばす。
為す術なく空中へと蹴り飛ばされたネズミ大佐が海軍船の上空へと差し掛かった瞬間、アキトも同じく宙へと跳んだ。
アキトは無防備なネズミ大佐の背後へと高速移動し、右肘を振り上げ、奴の背中へと力の限り肘を叩き込む。
許容量を超えたダメージを受けたネズミ大佐は吐血し、眼下の海軍船へと身を投げ出す形で落下していった。
ネズミ大佐は海軍船の甲板に受け身も取ることが出来ずに落下し、無様な姿で沈み込む。
甲板にひび割れが広がり、海軍船が大きく揺れる。
木片を周囲に撒き散らし、ネズミ大佐は今度こそ再起不能の重傷を負った。
残党の海軍兵を睨み、アキトはナミ達の下へと向かう。
残る海軍兵達は恐怖の余りネズミ大佐と共に支部へと帰還していった。
「ありがとね、とてもスカッとする一撃だったよ」
「すまないな、アキト君。奴らの掃除まで任せてしまって」
島の大地へと降り立ったアキトはノジコとゲンさんの感謝の言葉を受けとる。
アキトは首を横に振る形で彼らの感謝の言葉を受け取った。
「ゲンゾウさんはこの村の代表として、今回の件を海軍本部に連絡していただけますか?俺の名前を引き合いに出せば邪険に扱われることはないと思いますから」
ネズミ大佐には厳正な処分を受けてもらう。
既に全治何ヶ月の重傷をアキトの手によって負わされているが、容赦などしない。
奴が意識を取り戻した時には既に牢獄の中であろう。
「ああ、分かった。そうしよう」
ゲンさんにアキトの提案を断る理由がなく、軽い足取りで村へと戻っていた。
後日、ネズミ大佐は階級が剥奪され、これまで犯してきた罪の数々が白日の下に晒され、海軍本部へと連行されることになった。
ネズミ大佐に加担していた海兵達も連行され、投獄された。
奴らが日の目を見ることはないだろう。
しかし、最早そんなことは些細なことだ。
アーロンの支配は終わりを告げた。
コノミ諸島全土では今や宴への準備が行われている。
人々の魂の叫びだ。
今ここにココヤシ
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