ペルソナ3
1827話
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み始めてから1ヶ月くらいしか経っていないから、その時間経過と共に復活する可能性は十分あるけどな」
「そうか」
うん? 予想していたよりも喜びは少ないな。
タルタロスを攻略する上で必要な障害が減ったのだから、喜んでもいいと思うんだが。
今の桐条を見る限りでは、どこか落ち込んでいるようにすら見える。
どうせなら、真田と同じく悔しさを表に出してくれれば、こっちもそれなりにやりやすいんだが。
「情報提供、感謝する。それで……君達はこれからどうするのだ?」
「ん? どうするとは?」
「その……私としては、出来れば私達と行動を共にして欲しい。知っての通り、タルタロスに挑むにしても、私達は戦力不足なのだ」
「だろうな」
桐条の言葉に俺は素直に頷く。
ただし、無言でこの会話の成り行きを見守っている荒垣に視線を向ける事は忘れない。
言うまでもなく、桐条と真田が戦力不足に陥っているのは、荒垣が抜けたからだろう。
元々ペルソナ使いは非常に希少な才能だ。荒垣が抜けたからといって、すぐに代わりを用意する……という訳にもいかないだろう。
それは、荒垣が抜けてから桐条と真田が2人だけで行動しているのが証明している。
勿論ゆかりのように、ある日突然ペルソナ使いとして覚醒するという例もある。
だが、それはあくまでも非常に希少な例だ。
そんな桐条達にとって、荒垣が抜けた穴は非常に大きいのだろう。
もっとも、出ていった荒垣を恨んでいる訳でもないというのは、突然尋ねてきたのを喜んで迎え入れたという点からも明らかだが。
「ふん」
俺に視線を向けられているのに気が付いたのだろう。
荒垣は不機嫌そうに鼻を鳴らすと、こちらから視線を逸らす。
そんな荒垣を、桐条はしょうがない奴だといった視線で見ると、再び口を開く。
「どうだろうか? 私達と行動を共にしてもらえないだろうか?」
桐条の視線が、俺に向けられる。
まぁ、今まで話を進めてきたのは俺なんだから、俺がこのパーティの主導権を握っていると思われるのは、当然だろう。
「……どうする?」
ゆかりに視線を向けて尋ねるが、返ってきたのは首を横に振るという行為。
「桐条先輩。私は……正直なところ、桐条先輩自身はそこまで嫌っていません。いい人だとも思っています。ですが、桐条グループは……」
言葉を途中で切ったゆかりだったが、桐条も、そして荒垣もゆかりが何と言おうとしたのかは分かったのだろう。残念そうな表情を浮かべる。
いや、桐条は残念そうじゃなくて悲しそうな表情か?
「岳羽、よければ何故君がその、桐条グループをそこまで嫌っているのか、教えて貰えないか?」
「……岳羽詠一朗。この名前を知っていますか?」
「岳羽詠一朗
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