ペルソナ3
1826話
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」
おお、真っ先に我に返った辺り、桐条は切り替えが早いらしい。
そんな桐条の様子を見て、真田も同じように我に返る。
ただし、桐条とは違ってどこか興味深い視線を俺に向けていた。
いや、桐条の視線にも好奇心はあるんだが、この場合は真田とは違う意味での好奇心だ。多少警戒が混ざっているが、この辺りは純粋に個人としてシャドウと戦っている真田と、桐条グループの一員として戦っている桐条とのスタンスの違いか。
「ああ。例えばこんなのだ」
小さく指を鳴らし、いつもの子猫の炎獣を作り出す。
『なっ!?』
うん、やっぱり炎獣ってのは影の槍と同様に思い切り分かりやすい魔法だよな。
特にこの世界の魔法には、炎獣のように使い魔を作る魔法とか存在しないし。
いや、実際にはあっても、まだペルソナが習得しておらず、シャドウが使ってこないだけというのもあるか。
それに、使い魔というならペルソナとかが炎獣と似ていなくもない気がするし。
ともあれ、桐条と真田は炎獣の姿を見て驚いているが、いつも炎獣に護衛されているゆかりや、それを見ている荒垣は特に驚いている様子はない。
いや、当然か。
「ま、こんな訳で、俺は生身で戦っている」
再び指を鳴らし、炎獣を消す。
白炎となり、周囲に霧散していく様子に、桐条と真田は再び驚きの表情を浮かべていた。
「生身で?」
そんな中で沈黙を破ったのは、意外な事に真田だった。
「ああ、生身で。けど、別にそこまで驚く事はないだろ? お前達……の戦闘はどうか分からないが、ゆかりはシャドウと戦う時、ペルソナも使ってるけど生身でも戦ってるぞ?」
「それは……」
真田の視線がゆかりに向けられる。
そのゆかりは、色々と思うところのある桐条と会っている為だろう。まだ微妙に緊張している様子を見せていた。
実際、ゆかりはシャドウに対してペルソナ以外にも弓を使って攻撃している。
その威力は、一撃必殺とはいかないものの、それでも数本の矢が刺されば弱いシャドウであれば倒すのは難しくはない。
そう考えれば、生身でシャドウと戦うのはおかしくない筈だ。
真田がボクシング部である事を考えれば、恐らくシャドウとの戦いでは殴ったりといった真似をしていてもおかしくはない。
まぁ、シャドウは触れる肉体があるから、殴っても効果はあるんだろうが。
「素晴らしい槍だ……まるで、見る者の目を奪うかのような赤……いや、深紅の槍」
真田の方は俺が生身で戦うという事に驚いていたようだったが、桐条の方は俺が持つゲイ・ボルグに完全に視線を奪われていた。
いやまぁ、それも無理はない。
そもそもの話、桐条……桐条美鶴は桐条グループの1人娘だ。
そうなれば当然芸術品とかを見
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