暁 〜小説投稿サイト〜
ヴァンパイアの遊戯(アソビ)
二話
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
と「終わりだ。」と左京が言う。太一も安堵した様子でここに来てはじめて笑顔を見せた。

「さて、君が知っている事を洗いざらい吐いて貰おうか。」
MANKAIカンパニーの談話室、捕縛されたヴァンパイアを東、至、万里、左京が取り囲む。
「ひっ。」
ヴァンパイアは小さく悲鳴を上げる。
「僕は知らない。」
「本当かなあ?」
笑みを湛えて目を細める東の瞳は威嚇するように赤く光っていた。
「こ、殺さないでくれ。」
「沢山の人間を殺しておいてよくそんな事が言えるな。」
左京が睨みをきかせる。
「聞いたぜ。今から十年前だったっけか。洋館に来た人間を片っ端から殺したらしいじゃねえか。」
万里がヴァンパイアの両肩に手を置いて言う。やはりその目は赤く光っていた。
「わ、悪かった。」
「悪かったで済むと思う?」
至の目もやはり赤い。
「ゆ、許して。何でもする。」
「ほう。」と言ったのは左京で、東と至は笑みを浮かべて顔を見合わす。
「ならば血の契約を結べ。お前はこれから俺の部下だ。」
「は、はいいー。」
恐怖で震えながらヴァンパイアは声を上げる。
万里は自分の人差し指を噛んで血を滴らせるとヴァンパイアの額にその手を持っていき契約の為の術を唱える。万里の血が光ってヴァンパイアの顔に水滴となって落ちるとヴァンパイアはそれを口で受け止める。ゴクリと飲むと身体の奥から熱が上がる。
「はぁ・・・。」
熱いため息を漏らすとヴァンパイアは熱に浮かされた目で万里を見上げた。
「名前は?」
「坂田光一。」
「上層部との接点は?」
「眷属の方がたまに屋敷に来ます。直接会った事はありません。」
「ハンターとの接点は?」
「ありません。」
万里が質問をすれば淡々とそれに応える。光一と名乗るそのヴァンパイアはあの洋館に住み着き上層部からの使いに言われて街を襲っていた事が判明する。
彼が襲って殺した人間を上層部が他のヴァンパイアがやった事にしてハンターにヴァンパイア退治を依頼していた事が解った。
「ちっ。」
左京が忌々しげに舌打ちする。まんまとハンター達はヴァンパイアに踊らされていたのだ。明らかに憤りを隠せずにいる。
「悪かったな、摂津。」
以前命令とはいえ何も悪さをしていなかった万里を瀕死の状態にまで追い詰めた事を申し訳ないように左京が謝った。
「だがなあ、今日お前がやった事は許してねえからな。」
左京の言葉に何も知らない至と東が首を傾げる。
「万里何かやったの?」
「もしかして人殺しちゃった?」
東と至が万里を見る。その目はもう赤くは無く、何時もの目に戻っていた。
「兵頭の血を飲んでから周期が変わってるのに気づかなくて、また飲みすぎただけだ。ちゃんとその後介抱したし。」
「介抱すればいいってもんじゃ無いでしょ。」
呆れたよ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ