二話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
の中で力無く倒れている十座を見て左京が眉間に皺を寄せるが、今はこの空中にいるヴァンパイアを片付けるべきだと考え、ヴァンパイアを見上げる。
「まさかハンターを雇うなんて、君も堕ちたものだね。」
「あ?雇ってねえし。」
万里は睨みを効かせながら言うと十座を抱き上げる。
タンッと地面を蹴って正面入り口を背中から外に出ると、外で待っている臣に十座を預けてすぐに屋敷の中へと引き返す。万里が戻った時、左京とヴァンパイアが戦っていた。
過去に万里を瀕死の状態まで追い詰めた左京の腕は万里が一番よく知っている。じりじりとヴァンパイアは追い詰められていった。
「主様。」
左京が相手の動きを止めようと強い一撃を放った時、1人の青年が姿を現しヴァンパイアを守るように立ち塞がる。左京の繰り出した鋭い剣はその青年の胸を見事に貫いた。左京が驚き慌てて剣を抜くと、青年の傷は瞬く間に治る。
「ヴァンパイアの嫁・・・!?」
万里が呟くと「ちっ。」と左京は舌打ちする。首筋の印がバラの花になっているのを見れば、その元人間はヴァンパイアが死なない限り死ぬ事が無いのを確信する。
「摂津。コイツは俺がどうにかする。お前はあのヴァンパイアをやれ。」
「あざっす。」
万里は姿を消したヴァンパイアを追って洋館の奥に消える。
「しつこいね、君も。」
ヴァンパイアが右手を差し出せば突風が巻き起こる。万里は華麗にそれを交わして相手に近づくと蹴りを食らわす。相手もそれを上手く避けるも執拗に万里は相手を追い詰めていく。
「なぜ力を使わない。」
「使えばお前は死ぬからに決まってんだろうがよ。」
相手を殴り飛ばしながら万里は言う。
「もう・・・やめてくれ。」
「止めねえよ。」
「あぐッ。」
腹に一撃を食らってヴァンパイアは吹き飛び天井に叩きつけられる。意識を失ったヴァンパイアは後から駆けつけた左京と迫田によって捕縛された。
「さて、帰るか。」
「帰るか。じゃねえ!!」
左京は万里の腕に銃をぶっぱなす。
「あっぶね。」
慌ててそれを交わして左京を見ると怒りに肩を震わせている。
「えっと・・・。」
「約束したよな、摂津。」
「ひ、兵頭の事なら・・・お、俺が悪かった。周期が変わってるのに気づかなくて・・・。」
「摂津!!」
再び銃が火を噴く。万里は悪かったと言って慌てて外に飛び出しまだ意識の無い十座を抱き上げると、額に手を置く。万里の手から放たれた光が優しく十座を包むと、十座は意識を取り戻す。
「摂津・・・?」
ぼうっとした目で自分を抱き上げている相手を見てから自分が飛んでる事に気づいて驚いた表情を浮かべる。万里は臣の隣に十座を下ろすと、左京がヴァンパイアとその嫁を連れて洋館から出てくる。
「終わった・・・のか?」
いまいち状況が飲み込めていない臣が尋ねる
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ