第一話
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これで万里も安心かもね。」
「それってあず姉が言ってたヴァンパイア同士の戦いと関係あるの。」
幸の質問に驚いたのは至だった。
「幸、それはどういう事かな?」
「知らないなら・・・。」
「教えてくれるよね?」
言えと命令するように一瞬至の瞳が赤く光る。その目に太一は背筋が凍りつくが、幸は動じない。
「あず姉は身の危険を感じてヴァンパイアと余り関わらないようにしてるけど、ヴァンパイアの上層部だか偉い人達が他のヴァンパイアを管理しようとしてるって話。オレも余り詳しく知らない。」
「幸、東を紹介してくれないかな?」
「手出したりしないって約束してくれるなら。」
「約束する。多分俺が調べてる事と関係してるはずなんだ。十座、君もおいで。」
「は?何で俺が?」
「この件に関して君にも知って欲しいからね。勿論万里も連れて行くよ。君に何かあっても俺じゃ守りきれないからね。」
「あず姉はそんな事しないし。」
幸が憤慨だと言うように至を睨む。
「けど、十座が万里の嫁なら、片方だけ呼ぶのはまずいかもね。解った。あず姉にはオレから伝えとく。」
「よろ。」
「あと、この事は左京には秘密だからね。」
太一に向かって睨みを聞かせて幸が言う。
「ええ。何で俺?」
「アンタが一番喋りそうだからに決まってるじゃん。バカ犬。」
「あはは。幸は左京さんの正体も知ってたんだ。」
頼もしいと言うふうに至は言うと、そろそろイベント始まるからと部屋に帰っていった。
「へえ。ここが東さんの家か。」
小さなアパートの前で万里が言う。
「あの、至さん。僕も来てよかったんですか?」
咲也が自分は場違いだと言うように至を見ると、至はポンポンと咲也の頭を叩く。
「咲也は俺の大事な嫁だからね。俺の傍にいるだけでいいんだよ。」
至の言葉に咲也はパッと嬉しそうな笑顔になる。
「ほら、ボサッとしてないで行くよ。」
幸に言われて4人は後に続く。
東は玄関で皆を迎えいれると、紅茶の用意をする。
「それで、ボクに聞きたい事って何かな?」
皆に紅茶を出しながら東が尋ねる。
「東さんの知ってる事全部話してくれませんか?俺達も話すんで。」
「ボクの知ってる事?ああ、もしかしてハンターの事かな?」
ハンターと聞いて万里と至の表情が変わる。
「やっぱり何か知ってるんだな。」
万里は目をギラつかせて聞く。その様子に十座は幼い頃に初めて万里と出会った時の事を思い出し背筋がゾクッとした。
「万里がこの間ハンターの標的されてね。ハンターに依頼した人物を俺ら捜索中なわけ。何か知ってるなら教えて欲しいんだよね。」
爽やかな表情だが、目はヴァンパイア特有の鋭い眼光を放っていた。
「ボクも詳しくは知らないんだ。だけど、ボクも幸にはじめて会った時にハンターに追われててね。
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