第一話
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人前とか、言ってるけどさ。俺が今の嫁見つけるまで1000年はかかったからね。それに、万里にハンター差し向けたのってヴァンパイアだって話だし?」
「どういう事だ?」
万里の顔が険しくなる。
「俺も詳しくはまだ解らないけど、同じヴァンパイアだからって信用しない方が身のためって事は覚えていた方がいいよ。俺もそうしてるし。」
不穏な事を告げられて万里はその場に立ち尽くす。万里はヴァンパイアの中でも1握りと言われている貴重な純血の血を引く一族だった。その力は他のヴァンパイアより強く、同じヴァンパイアを自分の支配下に置くことも出来る。ヴァンパイアの中のヴァンパイアだった。そして、この至とはかれこれ800年ほどの付き合いだった。同じヴァンパイアの中でも唯一万里が信用出来る男。それが至でもあった。
(そういや、前に嫁を見つけた時、ヴァンパイアがその村で暴れて嫁候補が死んだ事もあったな。)
300年ほど前の事を思い出す。
「ちっ。」
小さく舌打ちして、万里は朝食が用意されているリビングに向かう。至の情報は恐らく正しいと確信している。
(俺も探り入れてみっか。)
今は幸いすぐ近くに嫁がいる。何かあれば嫁の血を吸えばいい。
「ヴァンパイアの嫁?」
談話室で何故かヴァンパイアの話になった時、何も知らない太一が首を傾げて聞いた。
「そ。ヴァンパイア達は嫁って言ってる。言葉の意味はこの印が付けられた人間が20歳になるとそのヴァンパイアと生死を共にするからだって。」
幸が自分の首筋にある印を指さす。
「じゃあ、幸ちゃんもその嫁なの?」
心配そうな顔で太一が見る。
「まあね。」
「こ、怖くないの?」
「あず姉はいい人・・・あ、いやいいヴァンパイアだよ。と言うかヴァンパイアは皆悪い奴って考え自体古いからね。」
解ってる?と幸にすごめられて太一は頷く。
「幸はそのヴァンパイアと会ってるのか?」
黙って聞いていた十座が尋ねる。
「週に1回は会ってる。オレがここに入った事言ったら興味もってくれて、ヴァンパイアでも入れたらなってこの間言ってたくらいだし。」
「ヴァンパイアもいるだろ。」
「はあ?」
「摂津も・・・ヴァンパイアだ。」
「マジ!!てかそれやばいんじゃない?」
幸の言葉に十座は首を傾げる。
「なんだ、知らないの?あの銭ゲバヤクザ、裏では有名なヴァンパイアハンターだよ。」
「なっ・・・!?」
「え、マジ!!」
十座と太一は同時に驚く。
「はぁ・・・。本当に何にも知らないんだね・・・。」
幸が思わず頭を抱えていると至が入ってくる。
「何、何かあった。」
重たい空気に包まれる三人に至が声をかける。
「今ヴァンパイアについて話してた所なんすよ。」
「へえ。それは俺も興味あるな。で、どんな話?」
空いていた椅子に腰を降
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