792部分:第六十四話 公孫賛、誰からも忘れられていたのことその七
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第六十四話 公孫賛、誰からも忘れられていたのことその七
「仲良くやれるしな」
「その通りだ。では今から徐州に行くといい」
「わかった。では今から行くとしよう」
「それではだ。さらば!」
美女は公孫賛に告げ終わるとだ。早速城壁の上から姿を消したのだった。
そして公孫賛はすぐに白馬を徐州に向かわせた。彼女も劉備の下に加わることになったのである。
馬超は洛陽を後にしようとしていた。丁度馬に乗ったところだ。
だが、だ。彼女は周囲を見回してだ。その太い眉を顰めさせている。
そしてそのうえでだ。こんなことを言うのであった。
「星の奴何処に行ったんだ?」
同行している趙雲のことを気にかけての言葉だった。
「全く。急にいなくなるな」
「呼んだか?」
しかしであった。その趙雲が出て来た。己の馬に乗ってだ。
そしてそのうえでだ。馬超に対して言うのだった。
「済まないな、少し寄るところがあった」
「何だよ、厠か?」
「まあそんなところだ」
微笑んでこう馬超に返す。
「だがもう済ませた」
「そうか。じゃあ行くか」
「そうするとしよう。しかし翠よ」
「んっ、何だよ」
「御主今厠と言ったが」
趙雲が言うのはこのことだった。
「御主の方は大丈夫なのか?」
「厠かよ」
「そうだ。また漏らすようなことはしないな」
「ば、馬鹿言うなよ」
馬超は趙雲の今の言葉に顔を真っ赤にさせて反論する。
「そんなのもう済ませたよ、とっくにな」
「そうか。ならいいのだがな」
「そっちこそメンマは持ってるよな」
「安心せよ。それはある」
趙雲は妖しさを漂わせた妖艶な笑みでだ。馬超に返して述べた。
「ここにな」
「ああ、もうあるんだな」
「そうだ。これは外せぬ」
趙雲にとってはだ。まさにそうしたものだった。
「あれがなくては私は生きてはいけぬのだ」
「メンマってそこまで凄いんだな」
「御主も食べればわかる」
「あたしもメンマは好きだけれどな」
「そうだな。しかし御主の分はない」
それはだというのである。
「悪いがな」
「ああ、そこまでは言わないからな」
「そうか。では出発しよう」
あらためて馬超に告げる。そうしてであった。
二人は馬を進ませだした。そしてその夜は。
野宿だった。二人はそれぞれ横になる。ところが。
趙雲が寝転がる馬超のところに来てだ。そっと囁くのであった。
「寒くないか」
「んっ、これ位平気だけれどな」
「いやいや、寒いだろう」
妖しげな笑みでだ。馬超の耳元で囁く。
「だからだ。ここはだ」
「ここはって何だよ」
「添い寝をしてやろう」
こうだ。馬超に囁くのである。
「どうだ。それで」
「ま、まさかそれは」
「そうだ。真名で呼び合う名
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