ペルソナ3
1825話
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けると、そこでは見覚えのある小学生が犬と遊んでいる。
「舞子、来てたのか」
「あ、お兄ちゃん!」
犬と遊んでいた舞子は、俺の姿を見ると嬉しそうに駆け寄ってくる。
そして俺の隣にゆかりがいるのを見て、不思議そうな顔をする。
「あれ? そのお姉ちゃんは誰?」
「えっと……お姉ちゃんは岳羽ゆかりって言うの。今日はアクセルから可愛い犬がいるって聞いて、一緒に来たんだ。お嬢ちゃんは?」
「舞子!」
「そう、舞子ちゃんね。よろしく」
「うん! ……えっと、その……」
予想外に柔らかい態度のゆかりに俺が驚いている間に、ゆかりと舞子はあっという間に打ち解けた。
いや、どちらかと言えば、舞子がゆかりに懐いたといった方が正しいのか。
「うん? どうしたの?」
「その……お姉ちゃんは、お兄ちゃんの恋人?」
ぶっ、と。
ゆかりらしくもなく吹き出す。
うん、まぁ、ゆかりもまさかここでそんな事を聞かれるとは思ってなかったんだろうな。
にしても、舞子……意外にマセてるな。
「ちょっ、舞子ちゃん。何でそうなるのよ!」
「え? だって、お兄ちゃんと一緒にいるし、仲よさそうだし」
「それは……そう、その友達、友達なのよ。舞子ちゃんだって、男の子の友達とは仲良く話したりするでしょ?」
「えー……そうでもないよ。皆、舞子に意地悪ばっかりするんだもん」
その言葉に、ああ……と納得の表情を浮かべてしまう。
小学生くらいの男子というのは、気になる相手にちょっかいを掛けてしまうのだ。
気になるけど、話せないと。そういう相手であるからこそ、暴力的な手段に出る。
勿論全員が全員そんな相手なのだとは限らないが、大抵の男子はそんな感じだろう。
そう考えると、恐らくその男子達は舞子に気がある……好意を抱いている可能性が高い。
もっとも、当の舞子はそんな相手の気持ちに全く気が付いていない様子だったが。
「そ、そう。でも私とアクセルは仲のいい友達なの。その辺は分かってちょうだい?」
そんな話をしている2人を見ながら、ふと俺は気が付く。
今の状況で食べ物を空間倉庫から出すと、色々と舞子に怪しまれるのでは? と。
それを防ぐ為、空間倉庫の中から手提げバッグを取り出す。
中には何も入っていない手提げバッグだったが、それでも空間倉庫から直接取り出すよりは、この手提げバッグを経由した方がまだ誤魔化せるだろう。
幸い、舞子はまだ小学生だし。
「そうなの? 残念」
「……そ、そうなのよ」
舞子に押されっぱなしのゆかり。
これは、相性がいいのか、悪いのか。
正直なところ、微妙な感じだな。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんにフラれちゃったねー」
「あー……うん、そうだな。
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