第百九話 イゼルローンの朝駆け
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三時に起こされた二人は、すっきりした頭で考えながら待っていると、グリンメルスハウゼン大尉がやって来て、『オーディンからの連絡が有るので一緒に見て下さい』と言われたのでモニターを眺めることにした。
モニターが映し出したのは、グリンメルスハウゼン大将閣下ではなく、テレーゼ殿下ご自身であったのは、ミッターマイヤーもビッテンフェルトも驚きを隠せなかった。
『マリーシャ、御苦労様。ウォルフ、ビッテンフェルト、久しぶりですね。元気にしていましたか?』
殿下のお言葉に、ミッターマイヤーとビッテンフェルトは慌てて頭を下げまくる。
「「「御意」」」
自然と言葉が出てくる。
『ウォルフ、一両日以来ですね。元気にしていましたか?』
「御意、この通り元気でございます」
『それは良かったわ。エヴァちゃん、フェリックス、エリーゼ共に元気ですよ。昨日逢ってきたからね』
「勿体ない、お言葉です」
『ビッテンフェルトは士官学校以来ですね。ヤークト・ティーゲルは快調ですか?』
態々一少佐の事まで気にかけて下さるとはとビッテンフェルトは益々感動していく。
「御意にございます」
『良い事です。ウォルフやビッテンフェルトには何れ、艦隊を率いて貰いたいのですよ』
その言葉に驚きを隠せない二人。
「艦隊をいただけるのですか?」
『うん。准将になってからだけど、取りあえず分艦隊からだけどね。ウォルフにはウォルフ・デア・シュトルムの渾名を付けた旗と袖章を作ってあるし、ビッテンフェルトにはシュワルツ・ランツェンレイターの渾名を付けた旗と袖章を作ってあるわ』
「艦隊名までいただけるとは」
「黒色槍騎兵か俺にピッタリです」
『でしょ、二人に合うのを考えたんだよ』
「しかし何故此処までして頂けるのですか?」
『ウォルフがお友達で、ビッテンフェルトが私のファンクラブ員だからではないわよ。貴方たちの能力と人柄を買ったのです。今の貴族出身提督に無い戦略戦術眼を買っているのです』
自分たちの事をよく知っていてくれる、殿下に忠誠を尽くそうと二人は思うので有る。
「「誠心誠意勤める所存でございます」」
『あー、其処まで力入れないで良いから。家族のために生き残るように、此が私の命令です』
「「殿下」」
『私の考えは、出来る限り死者を出したくありませんので、早朝襲撃頑張って下さいね』
「「御意」」
その言葉を最後にテレーゼとの連絡が終わり、ミッターマイヤーとビッテンフェルトも会議室へ移り作戦会議に参加しはじめた。
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