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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百九話 イゼルローンの朝駆け
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「良く判らんが俺は喋らん」

「明日早朝、帝国全土においてサイオキシン麻薬密売撲滅作戦が開始されます」
「なんと」
「ほう」

「この案件は憲兵隊が主体となり行います」
「しかし、我々にその様な事を話して良いのですか?」
「それなのですが、このイゼルローン要塞にも密売組織が存在しているのです」

「何と、軍内部にも」
「うむー」
「その代表者が、イゼルローン要塞兵站部次長帝国准将ブルーノ・フォン・ノームブルク子爵」

「あの締まり屋の兵站部次長か」
「ビッテンフェルト、何かされたのか?」
「彼奴は、俺の艦の諸経費が高いと何度となく補給を減らしやがったんだ」

「それは卿が、派手にミサイルを撃ちまくる為だとおもうが」
「昔から言うだろう。獅子は兎を倒すときも全力を尽くすと」
ビッテンフェルトは、航海主任のオイゲンからの受け売りを話しただけだった。

「一理はあるが、それで、兵站部も密売に参加していると言う訳か」
「そうです、調べた結果、イゼルローン回廊近隣の辺境星域の軍補給敞にてサイオキシン麻薬が作成され兵站部の補給部隊が帝国本土へ輸送、イゼルローン回廊近隣にはカイザーリング艦隊が販売を手がけているのです」

「なんだと、それでは完全に帝国軍自らが麻薬の密売人なのか!」
「由々しきことだな」
冷静なミッターマイヤーと声を荒げるビッテンフェルト、それを見ながら紅茶を飲むグリンメルスハウゼン大尉の姿が対照的であった。

「其処で、お二人には明日の襲撃に参加して頂きたいのです」
「何故我々が?」
「今回の件で軍は大混乱になるでしょう、その際にお二人には我々と同行して頂きたいのです」

「お話は判りますが、我々が何か役に立つのでしょうか?」
「自慢じゃないが、俺は捜査とか全く得意じゃないぞ」
ビッテンフェルトが得意げに胸を張る。

「いえ、捜査協力ではなく、その後の問題を手伝って頂きたいのです」
「その後とは?」
「ミッターマイヤー少佐は要塞司令官クライスト大将の参謀をしておられますね、その為に明日一番で司令官へ細評を説明する際に同行をお願いしたいのです」

「それは構わんが、手伝うことは他にはないのか?」
「それは後でレクチャーします」
「判った」

「俺はどうするんだ?」
「ビッテンフェルト少佐は、駐留艦隊指揮官ヴァルテンベルク大将への説明の際に一緒に居てくれればいいです」
「何も話さないでいいのか?」

「ええ、その辺は口のうまい上司が来ますので、単に巻き込まれた形でお願いします」
「まあ、いいが」
「その辺をレクチャーしますが、タンクベット睡眠で酒を抜いてから説明します」

そう言われて、仕方なくタンクベット睡眠をする二人であった。

翌20日午前
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