暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
涙-ティア-
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ンシーの気持ちを顧みずに。
「…言っとくけどモンモン、こいつがウルトラマンだってこと、誰にもいわないようにしとけよ。どっかでこいつに危害を及ぼそうとしているやつだっているんだからな」
「そ、そうなの?でも、正直荒唐無稽すぎて誰も信じないと思うけど」
「実際、俺の故郷を守ってたウルトラマンも正体がばれたせいで危険にさらされかけたことがあったからな」
「…わかったわ」
思い出すのは、かつて実の両親を失って荒んでいた頃の自分をゴシップ記事のネタとして利用しようとした悪徳ジャーナリスト。折角この世界で出会った仲間が、奴と同列の存在になってほしいとは決して思わない。
サイトの忠告にモンモランシーは頷くが、少しサイトは、いつぞやのような意地の悪い笑みを見せてきた。
「よし、覚えたからなその言葉。もし破ったら今度こそ臭い飯食わせるぞ」
「あ、あなた結構蒸し返してくるわね!?もう終わったことにして頂戴…」
また惚れ薬の件を引っ張ってきたサイトに、なんとも変なところで執念深さを見せるのかと、モンモランシーは呆れたと同時に危機感を覚えた。
「臭い飯?なんかおいしくなさそう…」
言い方がどうも子供には難しかったのか、天然なことを言うリシュ。
「えっと…なんのこと言ってるの?」
「な、なんでもないわ!気にしないで頂戴!」
テファも気になってモンモランシーにたずねるが、当然誤魔化された。何せ惚れ薬を作ること自体法律で禁じられているのだから。
「お、そろそろ水が温まってるな。俺が代えてくるよ」
サイトは水桶に手を入れ、シュウを冷やすために用意した水が温くなっていることに気がつく。
「サイト、ありがとう。でもそれは私が…」
「いいって、俺もその人には世話になってたから。テファだってそろそろ休んでろよ。指先がすごいことになってるぞ」
「え?…痛ッ」
サイトに指摘を受け、テファは自分の指を見る。言われたとおり、酷く赤く腫れ上がっていた。痛みも気がついたと同時に走り出す。何度もタオルの水を絞り続けていた結果だろう。それだけ懸命にシュウの看護に集中しきっていたのだ。サイトは少し困った笑みを浮かべ、水桶を抱える。
「そういやモンモン、ルイズたちは?今どうしてんだ?」
「仮にもあの子の使い魔なんだから、そんなこと自分で把握しなさい」
さっきの仕返しを混じらせてからか、モンモランシーはそう言った。へいへい、とサイトは言いながら、今度はベッドの上で熱にうなされているシュウに視線を向け、口を開いた。
「シュウ、無理して動こうとすんなよ?これ以上テファに心配かけんな」
そういい残し、サイトは部屋を後にした。
「…余計な、お世話だ…わかっている」
入れ違うように、目を覚ましたシュウが扉の方を恨めしげに見ているかのように細めながら呟いた。
「シュウ…!」「
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