0165話『雷の取り調べ』
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らないのは当然なのです。その会員に入っているのは普段から司令官さんを甘やかし隊と思っている艦娘が集まっているクラブなのです」
「なんだろう……? 聞いている分には危険は皆無に感じるんだけど、どこか違う危険を感じるのは……?」
私はついそんな事を呟いていた。
それで電はため息を吐きながら、
「電は入っていないのですが、雷ちゃんとか鹿島さんとか夕雲さんとかが代表格なのです。他にもそれとなくメンバーは多いクラブなのです」
「なるほど……わかりやすいメンバーだな」
「いっつも司令官は榛名さんと一緒に甘えているから見てる分の私達は結構ストレス溜まっているのよ?」
それで雷はニカッと笑みを浮かべながらも、それとは裏腹にどこか毒が入っているようなセリフを吐く。
それで榛名は顔を赤くさせながらも、
《そ、そんなに私、提督に甘えているでしょうか……?》
「ま、まぁ電達もそれなりに榛名さんが司令官さんに甘えているのはよく見る光景なのです……」
どこか苦笑いの電。
そんなに露骨だろうか……?
「別段榛名とは普段の会話しかしていないと思うけどな」
《はい。それに触れ合えないのはやはり辛いですし……》
「司令官も榛名さんも甘いのよ!」
それで雷の雷が落ちた。ややこしい!
「触れ合えないからこそ、それ以上に司令官と榛名さんはいつも会話を欠かさないでしょう? それがどれだけ羨ましい事か……」
それでグッっと拳を震わせる雷。
「それに一年に一回でも触れ合えるなんて、とてもロマンチックだわ! ケッコンカッコカリした日というのがポイントよね!」
そう言って手を合わせて憧れていますという感じのポーズを取る雷。電もどこか一緒の仕草をしているのがポイントだ。
《はうぅ……》
それで榛名は恥ずかしくなったのかさらに顔を赤くして俯いてしまってしまった。
おそらく思い出しているのだろう、あの日の事を。
最後に二人でキスをして終わりにしたことを……。
「二人とも、その辺にしておきなさい。榛名がどんどん追い込まれている……」
「あーっ! もしかして司令官、榛名さんとあの日になにかあったんでしょう!?」
ぎくりッ!?
察しがいいな本当に。
《………ぅぅ》
榛名はもう虫の息だな。顔を赤くして俯いて無言になってしまった。
「な、なにもなかったヨー?」
「その、どこか金剛さんみたいなごまかしは効かないわよ司令官! さぁて、教えてちょうだい!」
「ワクワク……」
「その、黙秘権は使えませんか?」
雷はもう空気を得た魚のようにどんどんと私に迫ってきている。
電もそれでどこか目を輝かせているではないか。
これは、まずいな……。
今はまだ布団の中だから圧倒的に雷に場は有利だ。
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