暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross over〜
Superstition;迷信
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トールされたBBプログラムが、黒雪姫の意識を自動的に現実比一千倍に加速させた音だ。それはつまり、何者かが黒雪姫――――バーストリンカー《ブラック・ロータス》に《対戦》を申し込んできた、ということだ。

これが、それこそ青のレギオンの根城である新宿あたりならば、《黒の王》に挑んできたその度胸と裏打ちされた自信をへし折ってやろう、となるのだが、しかし……

―――ありえんッ!!

黒雪姫がいたのは梅郷中――――自分の率いるレギオン《ネガ・ネビュラス》が領土とする杉並戦域(エリア)の中に位置している。

レギオンの団員(メンバー)及び頭首(マスター)は、その領土内に限り他リンカーからの《乱入》をシャットアウトできるので、この杉並の中で黒雪姫が対戦を吹っ掛けられるなんて事は本来起こるはずがない。

加えて、個人宅や病院などの大きな公的機関や一部企業もなのだが、その敷地内はグローバルネットから別種のローカルネットが敷かれている。梅郷中もその例に漏れず、学内ローカルネットがきちんと稼働しており、黒雪姫だとて校門をくぐったその時からグローバルネットとは隔離されている状態だ。

必然的に、対戦相手は校内にしか存在しないことになる。そして、同じレギオンのメンバーならば対戦を持ち掛けることも可能。

だが。

―――ハルユキ、くんか?それともタクム君?

レギオンのメンバーを思い返すも、こんな方法で相談してくるような喫緊の用事など、当然のように思い当たらない。

トラブル、あるいはイレギュラー。いずれにせよ異常事態特有の、無制限中立フィールドで目の前に突然神獣(レジェンド)級エネミーがポップするようなヒリヒリとした空気を黒雪姫は感じ取る。

立て続けの不可解な出来事に硬直していた精神は、しかし眼前に【HERE COMES A NEW CHALLENGER】の文字列が燃え上がり、周囲の光景が様相を変え始める時には、《対戦》モードに切り替わっていた。
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