ペルソナ3
1824話
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いない。
「何も今日、今すぐにこの場で決めろとは言わない」
そう告げると、あからさまにゆかりが安堵の息を漏らす。
ゆかりのこれからに関わってくる事だ。
そう考えれば、ここでその全てを決めろなんて事は言える筈もないだろう。
もっとも……
「このままだと、タルタロスの攻略に差し障りがあるというのは、分かってくれ」
「……ええ、それは分かってるわ」
俺達がまだ正体を現さないようにしている以上、堂々と桐条達の前に出る訳にはいかない。
いや、俺だけなら別に出ても構わないんだけどな。
向こうが戸籍の類を調べようとしても、元々俺の戸籍はこの世界には存在しない。
あるいは、アクセル・アルマーという同姓同名の別人はいるかもしれないが。
……そうなったら、その誰かさんには思い切り迷惑を掛けてしまう事になるな。
ともあれ、俺だけなら桐条グループに見つかっても問題はない。
そもそも、向こうがどうやったところで俺を捕らえるといった真似は出来ない。
穏便な手段で言えば、影のゲート。乱暴な手段では最悪ニーズヘッグを出すという手段もある。
桐条グループのどこかの施設から、いきなり人型機動兵器が現れて、堂々と空を飛んでいくような真似をすれば……うん、かなり面白い事態になりそうだ。
そうなれば、桐条グループは騒ぎを静めるのに奔走する必要があり、少なくても当分は俺に構っているような時間はなくなる筈だ。
もっとも、逆にその辺りの騒動を収めてしまえば、色々な勢力と協力して俺を捕らえるために躍起になるのは間違いないだろうが。
「うん、そうね。分かったわ。今すぐに答えは出せないけど、もうちょっと考えてみる」
やがて考えを纏めたのか、ゆかりはそう告げてくる。
どうやら、最終的にはそのような結果になったらしい。
少なくても問答無用で却下されるのではなく、しっかり考えるという事になったのだから、問答無用で却下した以前よりは進展しているのだろう。
「そうしてくれ。お前の父さんの件をはっきりとさせる為にもな」
「……うん」
数秒の沈黙の後で頷いてくるゆかりの様子を見て、今日はもうこれ以上ここにいる必要はないだろうと判断し、改めて口を開く。
「じゃあ、俺はそろそろ行くよ。考えが纏まったら教えてくれ。それまで、暫くはタルタロスの攻略はしない方がいいだろうな」
「そうね」
そんな短い言葉を交わし、指を鳴らして炎獣を消滅させる。
急に暗くなったにも関わらず、ゆかりは考えに集中しているのか特に気にした様子もない。
そんなゆかりを見ながら、俺は影に身体を沈めていく。
いつもの影による転移。
ただし、今回の転移先は俺の部屋ではなく、ポートアイランド駅の裏側だ。
いつもであれ
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