第四十一話 神戸でもその八
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「その前と後はおみちに伏せこんで」
「自分を磨かないと」
「講習はただの通過点ですね」
「そうよ、大事なのは講習に合格することじゃなくて」
「どんな人になるかですね」
「教会長さんになることじゃなくてよ」
そのことが大事です、本当に。
「どんな人になるかよ」
「そういうことですね」
「そうよ、確かに講習を受けることはいいことだけれど」
通過点に過ぎないことは強調しました、私自身お父さんとお母さんにいつも言われていることの一つなので。
「問題はどういった人になるかなの」
「試験に合格するだけじゃないですからね」
「資格は資格よ」
私は阿波野君に強く言いました。
「お父さんとお母さんに言われたことだけれど」
「ただそれだけで」
「そう、何でもないわよ」
大したことじゃないことを言いました。
「車の免許だってそう言われてるし」
「問題はどういったドライバーになるかですね」
「そういうことよ、とんでもない運転をする人がいるから」
「いますね、そんな人」
「いい人になることだよ」
「教人さん、会長さんですね」
「ええ、そうよ」
前期講習を受けると教人になれて後期講習で会長さんの資格を得られます。昔は前期も後期も別れていなかったそうです。
「二十七日から十四日までが前期で後期は十九日までよ」
「それが講習の期間ですね」
「あとは二十三日の奥華の月次祭まで大教会で伏せ込みよ」
こうしたスケジュールになっています。
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