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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
784部分:第六十三話 劉備、牧になるのことその九
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第六十三話 劉備、牧になるのことその九

「永遠にじゃ」
「はい、これからも永遠に」
「それは約束じゃぞ」
「わかりました」
 こうだ。酒に酔った真っ赤な顔で袁術に言うのであった。
 そんな彼女を見てだ。張勲がこんなことを言った。
「私と凛ちゃんなんか昨日一緒の褥で寝ましたし」
「ああ、あれね」
 曹操がそれを聞いて言う。
「二人で昼寝してたわね。木陰で」
「あれは普通では?」
「褥という程のものではないのでは?」
 夏侯姉妹が話す。
「別にあれは」
「肌を重ね合うというものでは」
「けれどそれがいいのよ」
 曹操は楽しげに笑って話すのであった。
「美羽の態度が見ものよ」
「ううむ、美羽殿もあおちらの気が強いですが」
「華琳様もやはり」
「ええ。何か可愛い娘はね」
 多少だ。嗜虐性のある笑みを浮かべて話す曹操だった。
「いじめたくなるのよ」
「ですから我々もですか」
「褥においては」
「そうよ。そうしているのよ」
 こう話すのであった。二人にもだ。
「そしてそれはあの娘も同じなのね」
「張勲殿もですか」
「そちらの方でしたか」
「そうなるわね」
 こう話してであった。三人の成り行きを見るのであった。
 そしてだ。三人はというとだ。やはり袁術が言った。
「ええい、幾ら七乃といえどもじゃ!」
「私がですか」
「そうじゃ。凛は渡さぬからな!」
 このことを力説するのであった。
「何があってもじゃ。誰にも渡さぬ!」
「あらあら。我儘ですね」
「我儘ではない!」
 あくまでこう言う。
「凛とじゃ。これからもずっといるのじゃ!」
「だから私の家臣なんだけれど」
 曹操が横から言う。
「その辺り忘れないで欲しいわね」
「あの、ですが」
「今の三人は」
「わかってるわよ。だから見てるだけにしてるのよ」
 何だかんだで楽しんでいる曹操であった。三人を見てだ。
 袁術は明らかに張勲に対抗心を燃やしていた。郭嘉を自分の左肩にもたれかけさせてだ。そのうえで張勲に対して言うのであった。
「わらわ達は口移しで食べ合った仲じゃぞ」
「ですから私達は一緒に寝た」
「わらわ達の方が上じゃ!」
「いえいえ、私達の方が」
「どっちでもいいんじゃないの?」
 許緒は率直な感想を述べた。
「何か。凛さんの取り合いになっていて」
「そうよね。仕方ないわね」
 韓浩も苦い顔になって笑っている。
「見ていて微笑ましくはあるけれど」
「微笑ましいの?」
「ああ言い合う程仲がいいのはね」
「それがいいんだ」
「そうよ。いいの」
 こう話すのだった。彼女も三人を見ている。
 しかしだった。ここでだ。
 それまで酔っていてもたれかかっているだけだった郭嘉がだ。不意に動いてだ。

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