0164話『矢矧と坊ノ岬沖組の思い』
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執務室の前まで到着したので大和が代表として扉をノックする。
「提督。大和以下坊ノ岬沖組のメンバーを連れてい参りました。入ってもよろしいでしょうか?」
大和がそう言うと執務室の中から『入ってくれ』という声がかかったのでそれで私達は中に入らせてもらった。
中には提督の隣に朧と秋月の二人が立っていた。
この組み合わせはなんだろうと私は思いながらも状況を見守る事にした。
そして提督が話し出した。
「わざわざ集まってもらってありがとうな、みんな。今回は朧と秋月の願いあってみんなを集めさせてもらったんだ。今回の私の役割は見守り任みたいなものだよ」
提督はそう言った。
よかった……。どうやら懸念していた戦闘事ではない事に私は心の中で安堵をしていた。
それは皆も同様で一様に安堵のため息を吐いていた。
「それでは朧さんに秋月さん。私達になんのご用でしょうか?」
大和がそう話を切り出した。
すると秋月が少し緊張をしながらも一歩前に出てきて、口を少し震わせながらも何かを言おうとして、でもどこか緊張しているのかまだ何も言わない。
そんな秋月の肩に朧が優しく手を置いて「ほら」と言って笑みを浮かべると秋月の顔から緊張が取れてきたみたいで改めて秋月は話をし出す。
「そうそうたる皆さんの前で言うのは緊張しますが言わせていただきます。まだこの事を知っている人はごく僅かなのですが大和さん達には伝えた方がよろしいかと思いますたので司令にこの場を準備してもらいました」
「なんだよ秋月? 前置きはいいからもったいぶらずにあたい達になにかを教えてくれよ?」
「朝霜さん、シィーッですよ!」
朝霜のヤジに雪風が黙るように指を立てている。
でも秋月がここまでもったいぶるのには少し私も予想が出来たかもしれない。
私達と秋月の間で関係している事と言えばおのずと限られてくるからね。
もしかしてという期待を持ちながらも私は秋月が言うのを待っていた。
「はい。もったいぶった言い方ですみません。それでですが、秋月型が待っていたと同時に坊ノ岬沖組の皆さんも待っていたとある子が次の秋の作戦で艦隊に合流するという話です」
「もしかして!」
それで雪風が笑顔になった。
他のみんなもそれで笑顔になる。
「はい。ついに涼月が艦隊に合流するという話です」
秋月がそう言った瞬間に執務室の中はどっと騒がしくなった。
初霜とか霞などは涙を流しているほどだからね。
かくいう私も嬉しさがこみ上げてきていてつい提督に話を振った。
「提督……。秋月の言った事は本当なのですか?」
「ああ、本当だ」
提督はそれで肯定の言葉を述べていた。
ああ……涼月がついにやってくるのね。
彼女達も終戦まで生き残った組だ。
今も船体が防波堤とし
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