第百八話 キルヒアイス、担がれる
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ン麻薬の供給元が判明したのだ」
「何ですって」
「大佐殿、何故我々にその事を?」
「キルヒアイス准尉の疑問は尤もだが。供給元が問題でな」
「我々にも関係が有ると言うことですかな」
「大尉、その通りだよ。貴官の所属しているカイザーリング艦隊こそサイオキシン麻薬の供給元だとバッハ大尉が自白したのだよ」
驚きを隠せないキルヒアイス。
じっと考えるキルドルフ大尉。
その姿を見る、ニードリヒ大佐とキスリング中尉。
「此は、我が儘なお願いになるのですが、大尉達に協力して貰えないだろうか」
ニードリヒ大佐とキスリング中尉は、神妙な顔で頭を下げる。
キルヒアイスはキスリングが持参したサイオキシン麻薬の犠牲者の写真を見て目を顰める。
キルヒアイスは、持ち前の正義感から再度憤りを感じ協力しようと考え出した。しかしキルドルフ大尉がどう出るかが心配であった。もしかして密売組織の仲間だったら、ラインハルト様が危ないと。
「准尉。俺は手伝いたいが卿はどうだ?」
キルドルフ大尉も眉間に皺を寄せながら、犠牲者の写真を見て話しかけて来た。
キルドルフ大尉の普段の姿を思い出しても正義感溢れる好感な人物で有ったために信じようと考えた。
「はい。大尉殿協力したいです」
その話を聞いて、ニードリッヒ大佐は益々頭を下げる。
「ありがとう。それでは、明日憲兵隊でカイザーリング艦隊を検挙するので、手伝って貰いたい」
「了解しました」
「それで、貴官達は明日まで悪いが此処にいて欲しいのだ」
「情報漏れですか。仕方有りませんな」
「帰らないと、ちょっと」
キルヒアイスはラインハルトの事が心配で堪らない。
「済まないが、貴官を信用してはいるが、万が一がある。我慢してくれ」
「艦隊には、大尉が酒の飲み過ぎで、一晩泊まると連絡しておきます」
「おいおい。俺は酒乱じゃないんだがな」
「調べましたが、8度ほど、酒場で暴れて憲兵隊へ泊まってます」
キルドルフは、キスリングの問いかけに口を尖らす。
「仕方ないな。それじゃしょうがないさ准尉。諦めよう」
結局、キルドルフとキルヒアイスは一晩憲兵隊で泊まることになった。
帝国暦482年10月19日
■オーディン 憲兵隊総監部総監室
総監室ではグリンメルスハウゼン、ケーフェンヒラー、ケスラー達がリューゲンのニードリヒ大佐からの報告を受けていた。
「そうか、御苦労。明日が本番だ確実にな」
「はっ」
「ニードリヒ大佐とキルドルフ大尉は良くやってくれました」
「全て芝居とも知らずに、キルヒアイス准尉もいい面の皮だな」
「しかし、シェーンヴァルト少尉を剥がすのに、ヘールトロイダ曹長がスケスケのシースルー制服とは、儂も見たかったの」
「そうですな
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