第百八話 キルヒアイス、担がれる
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「全くです」
キルヒアイスは持ち前の正義感からか非常に憤っている。
「そいつを荷台に載せて、地元の憲兵隊へ行くぞ」
「フロイライン。済まんが、調書作りに協力してくれないか」
震えていた、サーシャであったが、意を決したように頷いた。
数十分後に地元憲兵隊へ到着した。
憲兵隊では連絡を受けて早速大男の身柄を拘束し、サーシャから事情を聞き始めた。
更にキルドルフとキルヒアイスも事情聴取を受けたのである。
事情聴取をしてきたのは、若い中尉でキスリングと名乗った。
「お疲れ様でした、大尉殿、准尉。最近あの手の犯罪が多いのですよ」
キスリングはやれやれという顔で話す。
暫く、雑談を交えながら、事情を聞かれていた中で、入室してきた憲兵軍曹がキスリングへ耳打ちしてきた。その話を聞いたキスリングの顔色が変わる。
それを不思議そうに見つめる2人。
キスリングが意を決した様に2人にむき直して、話し始める。
「あの男の身分が判明しました」
「何処の所属でしたか?」
「リューゲン軍事宇宙港で倉庫主任をしている。アルベルト・バッハ大尉です」
「帝国軍も落ちたな。大尉が婦女暴行かよ」
キルドロフが嘆き、キルヒアイスは益々憤るなかで、キスリングの顔が更に真剣になる。
「そのバッハ大尉の体からサイオキシン麻薬の成分が検出されました」
2人は驚きの顔する。
「サイオキシン麻薬だって!ご禁制の品じゃないか。道理であれだけやっても立ち上がった訳だ!」
「許せませんね」
「此はオフレコなんですが、最近辺境星域では、サイオキシン麻薬が蔓延していまして、憲兵隊、警察も捜査しているのですが、末端の密売人や密売人の元締めは逮捕できるのですが、問題は何処から入手したかが判らない状態なんです」
その様な話をしていると、再度入室してきた憲兵軍曹がキスリングへ耳打ちしてきた。その話を聞いたキスリングの顔色が再度変わる。今回は驚愕と言って良いほどの状態で有った。
「どうしたのかね。中尉?」
「いえ、大変言いにくい事なのですが、今上司を連れて来ますので暫くお待ち頂けますか」
「構わんが」
そう言いキスリングは憲兵軍曹と共に出て行った。
不思議がる2人。
「大尉、何か判ったのですかね」
「そうかもしれんな」
暫くすると、キスリングが上司を連れて来た。
「はじめまして。小官はリューゲン憲兵隊司令アドルフ・ニードリヒ大佐です」
「はじめまして。小官は、カイザーリング艦隊所属装甲擲弾兵エミール・キルドルフ大尉であります」
「はじめまして。小官は、カイザーリング艦隊所属航海科ジークフリード・フォン・キルヒアイス准尉であります」
「大尉、准尉、言いにくいのだが。バッハ大尉に自白剤を使用した結果。サイオキシ
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