捌
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的に令呪を行使した。その魔力がマルガの体を無理矢理動かし、威力を殺す方向へ空中で移動させて……それでも空中だったため大した距離にならず、そのまま蹴り飛ばされる。落下地点を確認。空き地、周辺民家無し。しまった、逃げる方向を間違えた……!
「さ、これで令呪もなし。姿をさらした暗殺者の末路は決まっている。良い判断ではあったが、その思い切りの良さがあるのなら最初から令呪を三画使っておくべきだったな、坊主」
「そいつはどうも、ランサーさん」
そろって転がった後、マルガに抱えられていた都合でマルガより前で止まった。状況的にサーヴァント相手に生身をさらしてる状況なわけだけど、意味がないとわかった上でナイフを構え、一歩ずつ後ろへ下がる。
『どうするの、カズヤ?正直もう勝ち目は、』
『だとしても、やるしかない。無いってわかってもギリギリまで足掻くよ。……マルガとの別れがこんなのでたまるか』
声を出したかった。はっきり声に出して、そんな諦めるような真似をするなって言いたい。でも、そうはいかない。マルガはアサシン。今からやろうとしてることがバレるってのは、そのまま敗北につながる。
『踊りの準備、お願い』
『……了解、マスター』
マルガと合流、さらに一歩、二歩と前後位置を入れ替えていき……
「ま、もう手遅れだがな」
一瞬。本当に瞬きの間すらなく、槍を構えたランサーがそこにいた。
=☆=
蘇った記憶の中で、俺は魔術師として父さんから指導を受けていた。
何となく嫌で一般人として生きるって言ったんだけど、それでも……違うか。だからこそ、知っておかなきゃいけないことがあるって言って、その指導を受けていたんだ。
目標は、いざという時魔術師としてのスイッチをいれて自身の魔術を操ること。
スイッチは、普通ではありえない異常事態。又は意図的な切り替え。
魔術師をするわけじゃないのになんでこんなことを?と、俺は父さんに聞いた。父さんは苦笑いしながら俺の頭に手を置いて、「ちょっと特殊すぎるからな、我慢してくれ」って言っていた。その時の顔は魔術師の父さんの顔じゃなかったから、本当なんだな、って漠然と理解した。
そうして、俺はそれを学んだ。スイッチの切り替えを学んで、自分の魔術属性の魔術を二つだけできるようになって。基本魔術だけはまた折を見て教えるななんて言われてうへぇってして。
その後、その記憶を封じる直前にもう少しだけ教えてくれた。
「お前の魔術属性は、他の魔術師に知られたらホルマリン漬け確定だ」
「だから、もし仮に記憶が戻ったとしてもソレは極力使うんじゃない」
「もし仮に使わざるを得ない状況に陥ったら、命を捨てるか、相手を殺せ」
「むしろ一般人として生きる方がお前にとっては厳し
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