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太陽は、いつか―――

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索《ベルカナ》のルーンを小石に刻みつつそう言い、石の向かう先へ走る。
令呪二画を持ってブーストしたEランクの敏捷値。彼はそれを、素で超える。



 =☆=



「カズヤ、さっきので令呪を二画も」
「あの状況だと二画使わないと逃げられなかった。……今だって、確実に逃げられたわけじゃないけど」

マルガに抱えられて屋根から屋根へ飛びつつ、ポケットに手を突っ込んで礼装を二つ取り出す。次々と流れていく景色から現在地を特定しつつネックレスを首にかけ、短すぎるナイフを右手に握る。

「良い知らせと悪い知らせ、どっちから聞いておきたい?」
「なら、悪い方からお願い。現状を把握しておきたいもの」
「ステータス、幸運以外が軒並み高い。大英雄レベルで間違いないと思う」
「確かに、悪い知らせねぇ。良い知らせは?」
「幸運は最低ランクだったから、つけ入る隙がないわけではない」
「さて、どうやって付け入ろうかしらね、そこに」

本当に、隙があるとすればそこだけどそこを付ける気がしない。そもそも幸運にたいして付け入る手段とはいったい何なのだろうか。

「ゴメン、状況が状況だから無神経に聞かせて。マルガの宝具はこの状況で効きそう?」
「…………」

少し答えたくなさそうにして。それでも、答えてくれた。

「使い方としては、1つ目に無関係な人を魅了して逃げ切るための盾にする」
「確かに逃げ切れそうだけど、お尋ね者になって詰みそうだなぁ」
「聖杯戦争のルール上、そうなっちゃうわよねぇ……」

二人そろって苦笑しつつのコメント。目撃者は消さなければならないが、関係ない人間を積極的に巻き込んでいくのはアウトだ。というわけで、これは却下。

「じゃあ二つ目。ランサーの方を魅了できれば、そのまま操り人形にできるわ」
「スゲェな、マルガ」
「ただ、それだけの間躍らせてくれるのかしらね?」

なるほど、踊りを見せてそれによって、という形なのか。しかし、うむ。何かあると悟れば、踊っている最中を狙うだろう。マルガのステータスでは槍を投げられて当たった瞬間終わりである。
踊りを見せる必要がある以上、アサシンらしく隠れて行うのも不可能だろう。なんだろう、結構詰んでるな。

「よし、方針を決めます」
「どうするの?」
「ひとまずは、このまま逃げる。で、人気のないところに出れたら思いっきり変装して家まで逃げよう。マルガのスキルなら、サーヴァントってのは隠して逃げられる」

家まで言ってしまえば結界でごまかせる。朝まで耐えられれば、礼装フル装備して逃げられるはず……!

「なるほど、確かにいい手段かもな」
「ッ、マルガ!」

と、気付かぬ間に背後まで来ていたランサー。その今にも蹴りぬかれようとしている足を見て、反射
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