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Exhaustive justice
四話
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言った通り、『そのまま銃を離さなければ身体ごと引っ張られ拳が決まる、銃を離せばその時点で近距離攻撃に移行、動ける筈もない帝を一方的に嬲り殺す』
しかしその選択肢を投げかけるには零司は絶対に行動を一つ起こす必要がある。
それは、『鎖を引っ張る行為』である。
選択肢を投げかけさせる側はまんまと気づかなかった、凶暴化し理性が飛んでいる零司なら尚更だろう。
『自身は操作されていたのだと』

「お前は、自分自身の力で裁かれる」

ーー機関銃の弾薬の雨から逃れられる程の速度、しかし足は封じられている。
ーー爆発の折へ捕えられ平気で復帰する耐久力、しかし回転式拳銃は貫通した。
ーー鉄の盾を空中で貫通させ真っ二つにする程の手腕、しかし棘鉄球の質量は先ほどの数十倍。
ーー剛力とも呼べるその破壊力は全て、帝の攻撃に利用されている。

零司は笑みを殺す。
豪速球で迫り来る棘鉄球を睨みつけて、ゆっくりと呟いた。

「では、貴様の正義とはなんだ」


ーー
頭が真っ白になる。

ーー正義だと?
そんなものは、決まっている

棘鉄球が地面に衝突する音が鳴り響く、しかし帝はその音が聞こえていないかのようにその場に立ち尽くす。

「俺は、」

「その正義は、俺が言ったものと何か違うか?」


血塗れの零司の拳が帝の腹部を貫通する。
「ぁッ…が…!」

「強きは『正義』と名乗る資格がある、弱きは『悪』と判を推される」
「何が違う?何も違わないだろう」

零司は拳を腹部から抜く、すると帝は何も言わなければ睨み返しもせずに無造作にその場に崩れる。


「テメェ、俺を殺す気だっただろ」
零司は浅く息を漏らし、頭から、穴だらけの身体から血を流しながら膝をついた。
「クソが、こんな屈辱は初めてだ…!」

零司は倒れた帝に手を伸ばし笑みを浮かべて短く言葉を放つ。
「必ず、殺して、やる」

やがて、零司も意識を手放した。

ーーーーーーーーーーー
軍司玲央はその光景を見て、絶句を漏らす。

「同時討ち…?」

腹部に穴を空け、校舎に寄りかかって顔を俯け、起き上がる気配がない月雲帝
身体中に穴が開き、帝に手を伸ばしながら倒れている一ノ瀬零司
零司の髪は短く、肌は血色が良い肌色に戻っていた。

校舎には小さなクレーター、零司の後ろにはありえない大きさの鎖がついた棘鉄球が転がっている。

「おい零司!」
零司に駆け寄り、手首に手を添える。

脈拍は正常。
ホッと息を漏らし、横目で帝を見る。

呼吸の音が聞こえなければ起き上がる気配もない、
恐る恐る帝に近づくと突然、帝の身体が痙攣を起こす。
「なッ!?」

数回痙攣した後、顔を上げないまま帝の手のみが動き、胸に手を当てて服
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