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Exhaustive justice
四話
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黒煙の中心にいた零司は圧倒的な武力に捉えられても尚、少し、笑った気がした。

先ほどバラまいた黒煙が火炎弾から着火して盛大に爆撃を起こし、衝撃を受けた帝の肉体は後方へ押し出され、受け身も取れず無様に転がっていく

鉛玉に火炎弾、ミサイル弾に砲弾。果てには8.8cm重量弾。
そこまでの火力を発火しても尚も帝は立ち上がる。
「…貴様は、」
帝は再び目を開く、呪うように爆煙を睨みつけて叫ぶ。

「イカレだ!」
爆煙の内部から突風が吹き出す。
それに応じるように帝はマントから土台ごと連装機関銃を取り出して発破する。

中から現れた零司は瞳を紅く光らせ髪を左右へと揺らしながら弾丸に捉えられぬよう旋回して走り抜ける。
機関銃を揺らし弾丸をばらまきながら迎撃を続けるも一定の距離へ近づかれると即座に機関銃の舵を離れ後退する。

零司はそのまま拳を機関銃へと貫通させ、帝を睨みつけた。

「今のは中々いい攻撃だった、だが些か火力が弱いな」
帝と零司の距離、僅か2m。
「…貴様は悪だ、一ノ瀬零司」

「悪、ハハハ。違うな、俺は正義さ」

血を流し苦しく睨みつける帝に対し、零司は長い髪を風に靡かせて笑う。

暫しの硬直、そして合図のように突風が一吹きする。

帝がマントから武器を出した瞬間、零司は跳躍、その距離を一気に詰める、
帝が出すは.50口径回転式拳銃。
零司の神速とも呼べる拳を紙一重で躱して後退する。
既に発射準備(コッキング)は完了しているようで、ギリリと銀の弾倉が回転し太腿へ狙いを定め弾丸が撃ち出される、零司は既に第二波へと移行しており、左の太腿へ弾丸が貫通しても尚、拳の勢いを緩めずに胸囲を殴打する。

「…ッ!」
今度は嬌声を、叫び声を上げずに血を吐き出して肉体を血に引きずりながら第二校舎へと直撃する。
パラパラと瓦礫が崩れ、煙があがる。

零司は痛がる素振りもなく、帝に近づくと『それ』を見て幻滅の表情を見せる。

血に濡れ、力なく校舎にもたれかかり座っている月雲帝。
明らかに異常な出血量、目は開いているが虚ろ。首を上げる力もない。
「もう終わりか、つまらんな」

ーー

「いいか、正義とは勝者の事だ。貴様は弱者、負けたものは所詮悪に過ぎないんだよ」

ーー違う

「首を撥ねる、悪には死を、だ」

「違う」
零司の後方で爆撃が起こる。
零司は突然の爆発に咄嗟に振り替えると、長方形の鋼が吹き飛んできた。

「ああ!?」
苦もなく拳で叩き割る、しかし。
パシッと軽快な音を立てて浅く鋭利な槍のような弾、それを軸に位置する三本の爪が肩に喰いこむ。
それには鎖がついており、鎖は形の歪な短銃へと繋がっている。
言わいるフックショット。
撃ち出しているのは再び
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