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転生も転移もしていない私が何故ファンタジーの世界で魔王と呼ばれる事になったのか。
夜明けまであと少し
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に努める為の努力をしようでは無いかと言うか……」

「ぁ……あのぅ、魔王様」

「いやその魔王様と言うのは誤解であってだな」

「何故アリィはまだ生きているのでしょうか?」

「うむ? 何を言っているのだ少女よ?」

「……あのあの、アリィは魔王様に連れられて草原の迷宮に連れられて来ました」


 草原の迷宮とは何だ? もしやこの研究施設の事を言っているのか?


「それで生贄の祭壇に寝かされたと思うのですが……」

「待つのだ少女よ!?」

「へうっ!?」

「ああいや一々そうビクゾクしなくとも何もしないから、取り敢えず落ち着くのだ」

「ぁ……はぃ……」

「それでだな少女よ、その……生贄の祭壇とは何だ?」

「ぇ……その、さっきまでアリィが寝かされていた祭壇ですが……」


 祭壇? もしやそれは私が寝かされていたシステムベッドの事を言っているのだろうか……


「フカフカでピカピカしてて……その、この世の物とは思えない形の台だったのでてっきり……」


 あー……確かにバイタル機器は作動したままだったし、ベッド周辺の照明は点いたままだったが、もしやそれを見てこの少女は誤解しているというのか?


『ねぇちょっといい?』


 何だ、今私はお前に構ってる暇は無いのだ、用事なら後にして貰おう。


『いやそうじゃなくてさ、基本的に君は大きな勘違いしてるから先に言っておくけど』


 ……む? 勘違い?


『今の世界って人類が絶滅して別の生命体が支配している状態にあるけど、その文化レベルって中世ヨーロッパとか安土桃山時代の日本を足して2で割った程度の物しかないから』


 何だと? まさかそれは……


『さっき"現在の文化レベル低い"って言ったでしょ? この世界は今産業革命も文明開化もしていない、思いっきり封権社会がまかり通ってる状態だからさ』


 ああ……だからこの少女は魔王だの生贄だのと、とんでもない単語を真面目に口にしている訳か。


「あの……魔王様」

「いやだから私は魔王では……いや、うむ、どうした少女よ」


 取り敢えず現状把握と対処だ、否定ばかりしていては話が進まん、先ず話を聞いて誤解を一つ一つ解いていこう、うむ、それがいい。


「勝手なお願いと言われそうですが、アリィをお食べになられる時は一思いに……その、痛くしないで……」

「いや食わんぞ!? 私に人肉食という嗜好は無いからな!?」

『正確には彼女人じゃなくて猫科動物だから、人肉食には当たらないんじゃないかなと思うんだけど』

「煩いっ! 話をややこしくするんじゃないっ!」

「へううっ!?」

「ああすまん誤解
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