第3章 リーザス陥落
第101話 真なる王
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いた場所。
それは 言うまでもないが 魔人と人間の衝突で起こった現象である。
「二刀煉獄・斬光閃」
ユーリは 額から血を流しつつも 決して怯まず 退かず 己の信頼する武器 2刀の剣を振るう。
その二つの刃は空間を斬り割きながら 魔人ノスの顔面へと向かっていく。竜族の魔人は 身体に人間とはくらべものにならない程の強靭な皮膚を纏っていて、無敵結界など無くとも鉄壁と言っていい防御を誇っている。そう今まで戦ってきた魔人とは比べものにはならない。
人間から魔人になったであろうサテラやアイゼルの2人とは。
ノスは余裕を持って正面から真空の刃を見据えた。
「ぬん!」
そして 剛拳が1つの鎌風を屠り去ったのだが、巧みに隠したもう1つの斬撃には反応出来なかった様だ。全く同じ軌道上にある刃。2撃目の攻撃を的中させる為の布石として放つのが1撃目の刃なのだ。
「ぬ!」
振り抜いた拳を縫って現前に迫る。……が 刃は何か見えない壁の様なものに阻まれ、消失した。
「ちっ……!」
阻まれた原因は竜族の持つ強靭な皮膚……ではなく無敵結界。魔人が持ちうる絶対的防御だ。
「ぬああ!!」
そして、共闘をしているトーマも全力で攻勢に打って出た。ヘルマンの黒鎧をも容易く砕くノスの攻撃を何度も被弾しながらも、決して衰える事の無い勢いで。ユーリの様に所々に出血も視られるが一切構う事がなかった。ノスのその頭上に戦槌を振り下ろす。
だが、それも盛大な轟音と衝撃波を引き起こしても、その身体そのものにまでは届かなかった。
「トーマ! 後方へ跳べ!!」
咄嗟にユーリが声を上げたのは、ノスの手に光の輝きが発生したのを見た為だ。
肉弾戦を好むとされている魔人の中でも好戦的な部類に入るノスだが、その実、魔力の方に関しても非常に強い。グレート・ファイヤーボールを初めとする、人間では凡そ使う事が不可能な魔法を容易く使用しているのだから。
トーマもユーリの声に反応し、素早く跳躍。そのトーマがいた場所には 轟音と共に天井にまで達する程の極大の火柱が立ち上った。如何にトーマと言えども喰らえばただでは済まないだろう。
「すまぬ、ユーリ」
「礼は終わった後にしろ。幾らでも受けてやる」
挟み込む形を取っていたのだが、トーマは素早く隣り合わせになる様に移動。いまの攻撃魔法を見て、挟撃は意味を成さないと判断した為だ。そして 更に厄介な事態に見舞われる。
「猪口才な……。死複製戦士どもよ来い。……奴らを喰らえ。四肢を砕いてしまえ」
無数の骸の戦士達がノスを中心に沸き出したのだ。その数はこの部屋を埋め尽くす勢いだった。
「はっ……。魔人ともあろう男が 結界に頼り、更にはこんな小細工にも頼
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