0162話『磯波と浦波のカメラ』
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るのを確認できる。
私が視察に来たのを確認するとその度によく私に声をかけてきてくれるのでとても安心できるというものだ。
そんなこんなで視察をしていく道すがら、
「司令官はこの町の人達に慕われているんですね」
「そうか?」
「はい。その、とてもこの町の人達が司令官を信頼しているのが分かります」
「それならありがたいことじゃないか。それで私達もやる気が出していけるしな」
「はい。守っているという思いを抱けますからね」
浦波にも同感だと感じてもらってよかったと思う。
それで今日の視察もそろそろ終わりに近づいてきたので、
「それじゃ、そろそろ二人のお目当てのものを買いにいくか」
「あ、はい!」
「ありがとうございます!」
それで私達は町のカメラショップへと足を運んでいく。
そして店の中へと入っていくと二人は目を輝かせていた。
「うわー……浦波ちゃん! これ、いいと思うの!」
「こっちもいいと思うよ、磯波姉!」
二人はまるで宝石でも見るような感じでどれを買おうか悩んでいた。
少しその光景に微笑ましいなという気持ちを抱く。
《楽しそうですね》
「そうだな」
それでしばらく榛名と二人で二人が何を選ぶのか観察していた。
していたんだけど……、
「その、磯波さん?」
「はい? なんでしょうか司令官?」
私はついその金額に目がいってしまい磯波に声をかけてしまっていた。
「その、なんだ? 本当にそれを買うつもりなのか……?」
「そうですけど……なにかおかしいでしょうか?」
「いや、別におかしくはないんだけど……金額がすごいけど大丈夫なのか?」
そう、そのカメラ一式の金額が約70万という膨大な金額だったのだ。
確かにお給金は貰っているからそれくらいはお金は持っているだろうけどそれでもさすがに少し見過ごせない金額だった。
「本当に大丈夫か……? お金の心配だったら私も工面するぞ?」
「だ、大丈夫です! 司令官の手を煩わせるほどお金には困っていませんから! その、この日のためにこの世界に来てからずっとお金を貯めていたんです……」
それで恥ずかしそうに磯波は俯いている。
「磯波姉はずっと楽しみにしていましたから」
「そんな浦波も結構な物を買うんだな」
「まぁ、大丈夫です。私の方は10万そこそこですから」
それでも高いと思うんだけどな。
まぁいいか……。
「まぁ、金欠にならないようにしておけよ二人とも?」
「わかっています」
「その、平気です……」
それで二人はカメラ一式を購入していった。
その表情はどこかホクホク顔だったのは言うまでもなかった。
そして鎮守府へと帰ってみると青葉と遭遇して、
「なっ!? い、磯波ちゃん? その
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