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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百七話 クナップシュタイン日記
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プではないが、誠実温厚にして責任感も強い古武士であり、軍内部でも忠実で信頼の置けると評判の御方だ。それに総監に対しても全く不平を言うことなく、与えられた仕事以上を確りとやり遂げる素晴らしい上司だ。私はモルト中将閣下のお役に立つべく日夜頑張っている。

元々私とグリルパルツァーは士官学校以来の腐れ縁で何故か何時も同じ職場を廻ってきたが、今回は憲兵隊に来て良かったと思えるように成ってきている。彼奴も同じ気分だと思うな、しかし私が仕事に生き甲斐を感じてモルト中将閣下を敬愛しているのに対して、彼奴は違うんだよな。

グリルパルツァーが配属されたのは、憲兵隊査閲官ケーフェンヒラー中将閣下の元と言うのが奴らしいというか何というか。ケーフェンヒラー中将閣下は、総監より年上の75歳ではあるが、元気満タンの方だ。なんと言っても、第二次ティアマト会戦で反乱軍の俘虜になり、それから実に43年もの間収容所に居たのだから驚きだ。

479年に皇帝陛下のお慈悲で帰還したあとで、この仕事に就いたのだが、仕事全然してないんだよね。査閲官室は資料に埋もれているんだけど、憲兵隊関係の資料だけじゃなく、軍の古い資料ばかりを集めて日がな一日、眺めながら研究をしている。余り酷いのでモルト中将閣下に聞いてみたんだが、恐れ多くも皇帝陛下から43年間の苦労を考えて、自由にさせてやれとの事だったんだ。

陛下がそう仰るなら仕方が無いことなんだろうと自分に言い聞かせた。それならグリルパルツァーは、ケスラー大佐のように査閲官副官なのだから、その仕事をすれば良いのに奴は、学者肌のケーフェンヒラー中将閣下とウマが合うのか、話ばかりしている。

ケーフェンヒラー中将閣下は歴史の研究者らしいんだが、グリルパルツァーの方は地理学の探検家なんだけど、同じ研究者どうしで近いものが有るらしく、雑談で仕事を全くしていないんだよな、そのしわ寄せが俺達に全部来るんだよな。少しは仕事しろ!このグリルパルツァーめ!

憲兵隊は以前なら腐敗の温床とか言われ続けて居たけど、皇帝陛下の御英断による綱紀粛正で生まれ変わり、膿を一気に吐き出した為、今では憲兵隊に所属していても胸を張って言えるんだよな。以前なら余り言えた風じゃ無かったからね。

実戦部隊じゃ、皇女殿下の侍従武官から請われて移籍してきた、ブレンターノ准将閣下が憲兵隊実働部長として仕切っているから、安心していられるんだ、隊員も多くが装甲擲弾兵上がりでこれまた、良い奴ばかりだ、流石オフレッサー大将閣下の薫陶厚き猛者達だね。酒量が凄いのは勘弁して欲しいけど、何時か俺は肝硬変で死ぬかも知れない。

酒量が凄まじく多いので、何時も憲兵隊経理部長シュターデン大佐が老眼鏡をかけ腕カバー着け電卓を叩きながら、ぶつくさ言っているけどね。『予算を大事にせんか!』って時々実
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