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転生とらぶる
ペルソナ3
1821話
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XN、起動。転移座標入力……OK。転移フィールド生成開始」

 そうして三度二ニーズヘッグが転移フィールドに包まれていく。

「転移フィールド、生成完了。転移」

 その言葉と共に、ニーズヘッグの姿は火星の地上に降り立っていた。
 かなり強い風が吹いているが、その辺りはニーズヘッグのEフィールドである程度防ぐ事が可能だ。
 そうしてニーズヘッグの左手を地上に降ろし、ゆかりを火星に立たせる。
 まさに、歴史的な瞬間だ。
 ……もっとも、俺は火星で活動するのはこれまで何度も経験があるので、特に気にした様子もなくコックピットから降りたが。

「どうだ? 人類史上、恐らく初めて火星の大地に生身で立った感想は」
『何て言えばいいのかしら……うん、ちょっと言葉には出来ないわ』

 そう告げるゆかりの言葉に頷き、俺は周囲を見る。
 まさかないと思うけど、ハイヴとか古代火星文明の遺跡とか、そういうのはないよな?
 ペルソナ世界だけにないだろうとは思うのだが、それも確実ではない。
 実はシャドウの正体は火星から送られてきた異星人の先兵! ……とかいう可能性もある訳だし。
 ……ないか。
 ま、まぁ、可能性としては有り得るかもしれないって事で。
 うん、そういう事にしておこう。
 ともあれ、俺とゆかりはこのペルソナ世界の火星を堪能する。
 もっとも、当然この火星に何かがある訳でもないので、堪能するにも特に何かやるべき事がある訳ではないのだが。

「ああ、そうだ。どうせなら……こんな事でもしてみるか?」

 そう告げ、Eフィールドの外にでて、火星にある岩に向かってゲイ・ボルグを何度も振るう。
 結果としてそこに残ったのは、今日の日付と自分の名前。日本に住んでいると書いたメッセージ。

『止めなさい』

 即座にゆかりにそう告げられる。
 どうやら、ゆかりのお気に召さなかったらしい。

「駄目か?」
『駄目に決まってるでしょ。こんなの書いておいて、将来火星に探査機とかが来て見つけたら、どうなると思ってるのよ。日本を滅ぼす気?』
「……幾ら何でも、そこまではいかないと思うが」

 そう言いつつも、もしかしたら……? と思わないでもない。
 苦労し、何億……いや、何兆? 具体的に幾らくらいかかるのか分からないが、ともあれ大金を投入して火星にやって来た無人探査機が映像をNASAに送ると、そこに表示されているのは、日本が既に火星にやってきたという証拠。
 ……うん、大騒動になるのは間違いないな。
 個人的には色々と面白そうな気がするが、本気でそれをやればこの世界の日本に思い切り迷惑を掛ける事になりそうだから、止めておこう。
 桐条グループなら、影時間関係の研究でそんな事を普通に出来そうな気がしないでもない
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