戦いの序章
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大きな城が目の前に聳え立つ。
──ここに……。
私は強く細剣を握り、目の前の城を睨む。
その横にいるキリトくんが何かを察したのか全員に声掛けをし始めた。
「良いか、ここから先は誰と誰が一緒に敵を倒すようになるか分からない。」
「そうだね、お兄ちゃん。」
ランダムで2人組が作られるこのクエスト。
誰かワンパーティでも負けたら終わり。
──でも、このメンバーなら。
「行くぞ、みんな!」
「「うん!(えぇ!)(はい!)(おう!)」」
私達は頷いて城の前にある門をくぐった瞬間、白い光が視界一面に広がった。
「ここが……」
私は視界が開けて確認すると辺り一面には何処かで見覚えのある場所。
「ママ。」
後ろから名前を呼ばれ振り返ると、そこには大好きな彼に頼まれた娘の姿。
「ユイちゃん、一緒に頑張ろうね。」
「はい!戦闘では私は何も出来ませんが、ママのフォローに回ります!」
「うん、それだけでも十分だよ。ありがとう。」
私がユイちゃんに微笑むとユイちゃんは敬礼して私の肩に座った。
『貴方達が挑戦者?』
真っ白な髪の毛で腰には1本の細剣を装備し、ゆっくりと歩いてくる同い年ぐらいの女の子。
「ママ、あの人は…」
『初めましてアスナさん、この世界ではアリスって名前で呼ばれてるけど本来のプレイヤーネームはセナよ、宜しくね。』
「……どうして私の名前を?」
私は警戒して鞘に入れてある細剣に手を伸ばしつつ、ユイちゃんを相手から守ろうと構える。
『安心して、私は貴方と無意味な争いはしたくないの。』
「………。」
私は手を細剣に遠ざけつつも、警戒心は解かない。
『貴方の名前を知っているのは私もあの世界に居たからよ。』
あの世界、その言葉に私は無意識に身体が反応する。
こことは別の世界で1万人ものプレイヤーをゲーム内に閉じ込めたデスゲームが行われた世界。
「……SAOにいたと言うの…?」
『そうだよ、でも今の私はこの世界のNPCのような存在。』
「ママ、この人は確かに元SAOプレイヤーです。
でもこの人はログアウトされていてゲームクリア時にはもう……」
ユイちゃんが私の肩からそう説明すると、目の前の彼女は頷いて話を進める。
『その妖精さんが言うように私はHPが0になって、永久ログアウトしてる。ここに居るのもGMがどんな権限を使ったのか分からないけど意識だけ私で身体は全く違う。』
──じゃあ、目の前の彼女はもうリアルでは存在していない……って事?
『私は貴方が相手じゃなかったら速攻リメインライトにしてる所だけど……』
そう言って彼女はウィンド
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