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北欧の鍛治術師 〜竜人の血〜
第二章 戦王の使者
戦王の使者T
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ろだ。それはそうとフィリーリアス。IS学園はタトゥーは禁止のはずだが?」
「俺の出身の民族、結構奥まった場所にあって結構独自の文化築いてるんで、そんな感じで処理してもらえませんかね。確か校則に、その類のものに限り許可するみたいなこと書かれてましたよね」
「まあ・・・よしとしよう。それと、何か生活上の要望や不自由は無いか?これを訊きに来たのだが」
「不自由ってんならこのベッドと机に椅子、これ全部撤去できますか?」
「可能だが・・・邪魔だったか?」
「平民出身なんで、こんな上質な家具に囲まれてたら落ち着けやしないんですよ。それに枕が変わると眠れない質なんで」
「いいだろう。おそらく時間が掛かるだろうから業者に作業させるのは休日になるぞ」
「構いません。少し、買い物に行く予定でしたから」
「では手配しておこう。夜更かしはするなよ」
そう言って千冬はドアを閉めた。





翌日の夜、絃神島の港に停泊しているオシアナス・グレイヴの船室にて。
「全くお前という奴は・・・!」ドスッ
「アハハ、もう決まっちゃった事はどうしようもないしここはボクらの友情に免じて、ネ?」ドスッ
「黙れ爬虫類と蚊が混じったような生物め」ドスッ
こんなやりとりの合間合間にアインが決まってお手製の切れ味バツグンのフルーツナイフをヴァトラーの頭に乗っているリンゴを狙って投擲するというループが完成していた。もっともアインからしてみれば最初からリンゴではなくヴァトラーの額を狙っているのだが。見方によってはさながら生々しい黒ひげ危機一髪に見えないこともない。
「ねえ、君、ちゃんとリンゴを狙ってるんだよネ?」ドスッ
「もちろんさ。俺がリンゴ以外の物を狙うはずないだろう?」ドスッ
「じゃあなんでボクの頭はこんなにナイフが刺さってるんだろうネ?」ドスッ
「そりゃあ上の小さいリンゴより下の大きい真っ赤なリンゴ(お前の頭)の方が狙いやすいからな」ドスッ
そしてヴァトラーの頭が真っ赤になってそろそろアインもナイフを投げる場所が無くなり始めた頃、2人のいる部屋のドアがノックされ、ヴァトラーが入室を許可すると入って来たのは1人の給仕だった。給仕は古城と雪菜がやって来たことを告げるとそそくさと退室した。
「もう古城が来たみたいだケド?」
「ちっ、早いな、あのコンビ。俺はもう少しダーツを愉しむつもりだったのに」
「流血沙汰な時点で既にダーツじゃないと思うけどナア」
「ほら、甲板まで行くぞ。お前の護衛兼監視が怒ってるかもしれないしな」
アインはヴァトラーに近づくとその頭に刺さっている十数本近くのナイフを引き抜いて拡張領域にしまう。みるみるうちにヴァトラーの頭からは血が消え、傷もすっかり無くなった。
「君の魔力阻害のルーンは精巧に出来ているからあまり好きじゃないんだよ
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