暁 〜小説投稿サイト〜
北欧の鍛治術師 〜竜人の血〜
第二章 戦王の使者
戦王の使者T
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話






「しかし、ヴァトラーの奴も酔狂なことするねぇ・・・。古城をパーティーに招待か。ついこないだまで一般人だった奴を政界の重要人物のたむろする空間に放り込むかね、普通」
『絃神島で開くパーティーに絃神島の主人を招待しないなんてそれこそ僕のおじいさんに怒られちゃうヨ』
「いたのか、変態」
『開口一番人を傷つけるのが趣味なのかナ、君は』
「極一部の奴はな」
『で、僕はその極一部に該当する、と』
東京の大病院の一室に入院しているのはアイン。そこにふらりと飛び込んできたのは伝令用の鳩の式神だった。その中身はアルデアル公としてアルディギアを訪れた際にアインを一方的に気に入ったディミトリエ・ヴァトラーだった。
「少なくとも第四真祖の血が流れてるからって男に手を出すような輩は御免だね」
『あらら、酷評を頂いちゃったネ』
「暁はあれでも女を無自覚に惹きつける素質があるんだ。将来が面白そうだから自覚があるなら少しは控えてくれ」
『おやおや、君も僕とさして変わらないじゃないか。それとも、君の昔の女の事でも思い出したのかナ?』
ククク、と不気味な笑いとともに洋上の墓場の主人はアインを挑発する。
「ま、そんなとこだ。あいつらのイチャつく姿を間近で見せられると嫌でも思い出すね」
『それで、一人感傷に浸ってたのかい?』
「言い方をもう少し考えろ。・・・もう、俺みたいに大切な誰かを失って狂う奴は見たくねぇ」
『ふうん。優しいんだネ?もしかして君も僕と一緒で・・・』
「お前と一緒にするな、変態」
『ま、いいヨ。僕も故意に手出しはしないでおこう。もとより、そのつもりだしネ。』
「故意に、か」
『だから「偶然」起きた不幸な事故なんかは許容してくれないと困るヨ?』
「ハッ、白々しい。暁にはうちの姫様も興味を示してる。間違っても傷をつけるような真似はしてくれるなよ」
『それはもちろん。あ、そうそう。パーティーのウェイター名簿に君の名前載せてるから。明後日に遅れないようにね?』
「2、3回海の藻屑になりやがれこのクソ野郎??」
既に元気な怪我人の怨嗟の叫びが病院中に響き渡った。


数日後


IS学園1-1教室は、ホームルーム前にして転校生の話題で持ちきりだった。
「席につけ。ホームルームを始める」
ガラッとドアを開けて入ってきたのは担任の織斑千冬。世界最強と謳われる女傑だった。
「さて、既に耳にしている者も多いと思うが、今日は予定より少しばかり遅れてはいるが転校生が来る。入れ」
入ってきたのはもちろんアイン。ヴァトラーからの連絡の後すぐに退院してフレームの細いメガネを作り、それを日常的にかけるようにしている。そして、こんな状況に陥った自分を改めて恨みながら外用の笑顔を振りまいていた。
「はじめまして、アルディギア
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ