暁 〜小説投稿サイト〜
ご注文はパラレルワールドですか?
〜チマメ隊〜 ことの始まりは
第4羽 水分を帯びた生地って美味しいですか?

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ティッピーが投げたコーヒーの洪水が引いていき、そこには全身コーヒー色になった3人だけが残る。

「うひゃあ、真っ黒になっちゃった」

「…砂糖が欲しいな」

『チ〜ノ〜』
「うわぁ!」
「チノちゃんはこっちじゃないよ〜!」

逃げるメグとマヤを巨大ティッピーが追いかける。

「やっぱり倒すしかないよ!いけ、メグ!」
「私!?」

「白鳥の湖攻撃ー!」
「どこからラジカセを!?」
「わぁぁぁ体が勝手にー!」

バキッ。

「「「!?」」」

という鈍い音と共に、その場でバレエをさせられていたメグの姿が一瞬にして消える。
そして、メグのいたところの床には丸い穴がぽっかりと空いていた。

「ごめん、まさかこんなことになるなんて…。安心して、メグの犠牲は絶対無駄にはしない…私たちは絶対生き残るから…」
「マヤちゃん!?」

ぽっかりと空いた穴からメグがひょこっと顔を出す。どうやら無事だったようだ。

メグが落ちた床の下には少ししゃがめば余裕で通れるほどの隙間があり、床と同じほどの空間が広がっている。
「でもそんな簡単に床に穴なんて開くものなんですかね、ここの床は丈夫そうに見えたんですけど…あれ?」

チノの言葉につられてよくよくみると先程までしっかりしていた地面が、心なしか今はふにゃふにゃにふやけているようだ。それから床をつんつんつついていたマヤが地面をつまみとり、しげしげと眺めて口に含んだ。

「「ちょっ!?」」
「…これ、モナカだ」
「「!?」」

メグがおそるおそる齧ってみるが、なるほど、さっきのコーヒーのせいで表面がふやけていてあまりいい食感ではないが確かにモナカである。

「まさかこんなふうになっているなんて…」

あまりに予想外の出来事に呆然としているチノを置いて、すっかり夢中になってしまった二人は黙々とモナカの床を食べ進めるのだった。
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