第百六話 カイザーリング艦隊の休日
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姉上に薄情者と思われたくないし、キルヒアイスが行きたいというのであれば、付き合うしか有るまい」
如何にも、キルヒアイスに付いていくというスタンスで仕方が無いという感じでラインハルトはキルヒアイスと共に空港のラウンジへと向かうのであった。
ラウンジに到着した、ラインハルト達をキルドルフ大尉以下数十名の艦隊陸戦要員達が待ち構えていた。「おっ来たな、早速行こうぜ」
皆が口々にラインハルト達を歓迎しつつ、表に止めてあるバスに乗せて空港から市内へと向かい、大衆レストランへと到着した。
「さあさあ、ご両人今日は卿等が主役だ、存分に飲み食いしてくれ」
キルドルフ大尉がそう宣言し、テーブルやカウンターにそれぞれが座って、飲み物が出されてくる。
「卿等は未だ15歳か、ワインは行けるか?」
「嗜む程度なら」
キルヒアイスが代表して答える。
「無理するな、ジンジャーエールでも飲んでおけ」
がたいの良い軍曹がそう言うが、ラインハルトはムキになってワインのグラスを受け取った。
「じゃあ、酒は皆に届いたか?」
「「「「「「「「「「「「おーーー」」」」」」」」」」」
騒がしい声にレストランは包まれる。キルドルフ大尉が乾杯の音頭を取る。
「新しき仲間、ラインハルト・フォン・シェーンヴァルト少尉とジークフリード・フォン・キルヒアイス准尉の今後の発展と武勲に乾杯!」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「乾杯ー」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
一気に飲み干す猛者達。ラインハルトも真似するが、咽せてしまった。
「ゲホゲホ」
それを見ていた、女性下士官がハンケチを渡し、背中をさすってくれた。
それを見ている、猛者達からは揶揄の声が上がる。
「ヘールトロイダ曹長、若い子だからって襲っちゃ駄目ですよ!」
「五月蠅いね、そんな事をするなら、酔わせてからするさ!」
その言葉に、皆が口笛や指笛で囃し立てる。
「姉御は、もう少し大人の男性が好みですからね」
「ハウザー軍曹、後で覚えてなさい!」
「ハウザー、ご愁傷様」
「ハハハ、まあ飲め飲め!」
あまりの豪快さにラインハルトもキルヒアイスも呆気に取られるだけである。
そんな中でも、キルドルフ大尉は親身になって、ラインハルトに教えようと話している。
「いいか、卿は記録係が面白くないと思っているだろうが、記録は何れ役に立つ物だ。それにだ、幼年学校出の半人前に重要な仕事を任せる訳が無いだろう。まあ面白くても、半年は我慢して実績を残すことだ。俺達陸戦要員だって、普段は仕事が無いからな」
そう話していると、別の隊員が話してくる。
「そうだよ。艦内で俺達が役に立つようなときは、大概終わりが近い時だからな。
俺達が働かない方が艦隊は平和と言う事さ」
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