第百六話 カイザーリング艦隊の休日
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させるからな」
帝国暦482年9月2日
■ドヴェルグ星域 カイザーリング艦隊旗艦テュービンゲン 士官私室
ラインハルトとキルヒアイスは本来ならば士官と准士官で有ったため本来で有れば別々の部屋であるが、軍務省からの指示で同室になっていた。実際はテレーゼ側からの働きかけであったが。
「キルイアイス、前線勤務と言いながら、全く戦いが無いな。此では昇進の機会が無いじゃないか」
「ラインハルト様、いつも叛乱軍が攻めてくる訳でも有りませんから、仕方のないことかと思いますが」
「しかも、毎日毎日辺境惑星を廻るだけだ、それに航海日誌など、書くことが無くて暇でしょうがない」
「それだけでも、辺境が平和で良いでは有りませんか」
「あー、手っ取り早く辺境貴族でも謀反を起こしてくれないかな。
そうすれば、俺にも武勲を立てる機会が巡ってくるのにな」
「ラインハルト様」
「気にするな、誰も聞いちゃ居ないさ」
そう言う訳で言ったのでは無いのだけどなと、キルヒアイスは思うので有った。
するとラインハルトの部屋に誰かがやってきてようで、インターホンが鳴らされた。
キルヒアイスが返答すると、エミール・キルドルフ大尉だった。
「ご両人、俺だ、キルドルフだ」
「何か、御用でしょうか?」
「おう、久々の上陸日だからな、我々で卿等を招待しようと思ってな、
10.00に空港のラウンジに集合だからな、確り伝えたから」
ラインハルトとキルヒアイスはお互いに顔を見合わせながら、どうしようかと考え始めた。
「キルヒアイス、態々行く必要があるのか?」
「ラインハルト様、折角の招待なのですから、しかもキルドルフ大尉達は我々に好意的です。参謀長達がラインハルト様を腫れ物を触るようにする中で、親身になってくれています。その好意は受けるべきだと思います」
「脳筋で筋肉達磨達の宴会など行く気が無い」
「そう仰らずに、只でさえ、ラインハルト様は貴族出身の士官の間では、悪意を持って見られているのですから、好意を持ってくれる方を邪険にするのは得策では有りません」
「しかし、奴は鬱陶しいだけだ。何であんなに馴れ馴れしいだ」
「大尉としても、何も判らない新米は親切心から、良くしてくれているのだと思いますが」
「それが気に入らないのだ、俺はそこいらにいる、馬鹿貴族の何も判らない新米とは、訳が違う!あんな連中と一緒にされるだけで虫酸が走る!」
「大尉は、親切心ですから。好意は受けておきましょう。それともラインハルト様は好意を持ってくれる人物をあからさまに、拒否するほど心の狭いお方でしたか?さぞやアンネローゼ様もお嘆きになるでしょうね」
そう言われたラインハルトは、むくれた顔をしながら、キルヒアイスに返答する。
「仕方ない、
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